歌声を聞いて、誰が中学2年生だとわかるでしょう。ダイナミックで情緒あふれる声がもっと年上の大人の女性を思わせる、林明日香さん。今年1月「ake-kaze」でデビュー以来、天才的な歌唱力の持ち主として注目の彼女が、8月20日、待望のファースト・ソロ・ライブを行いました。
いま最も話題の街、六本木ヒルズ。夏休みとあって、どこを見ても人、人、人……。ライブ会場である野外のアリーナは、通路まで観客があふれ、たくさんの家族連れやカップルがステージを見おろせる階上にまで陣取っています。CS放送「フジテレビ721」の収録もスタンバイ、スタート前から熱い空気が漂っています。
J-WAVEナビゲーターの紹介とともにステージに躍り出た、林明日香さん。小柄でスレンダーなボディに、上下ホワイトのコスチュームが爽やかです。最初の曲は、母親への感謝の気持ちをうたった「母」。観客の心を一気につかむ、のびやかな歌声、パワフルな響き。初めてのソロライブとは思えぬ堂々としたパフォーマンスに、目を見張ります。続く「笹舟」でも、パワフルな高音をたっぷり聴かせてくれました。
「ゲストをお迎えします」というMCに続き登場したのは、二胡の演奏者として大人気のチェン・ミンさん。「初めてチェン・ミンさんとコラボレーションした時、新しい明日香が生まれたかと思いました」と林明日香さんがやや上気して言えば、チェン・ミンさんは「一緒にやれてとってもうれしい!」とにこやかに答えます。次の2曲は、お二人の共演です。二胡の澄みきったイントロで始まる「燕になりたい」は、アジアの風を感じる憂いを含んだ曲。先程までのピンと張った声とはちょっと異なる抑揚のある気持ちいい歌声。中音から高音域の声質は、二胡の音色に寄り添うように響きます。続く「ake-kaze」は、明日香さんのデビューシングルでもあり、ナショナルIHジャー炊飯器のTV-CMソングとしてもおなじみの曲。曲名は知らなくても、耳にした印象がある人も多いのではないでしょうか。悠久の大河の流れを感じさせるこの曲では、ゆるやかで切ない二胡の調べと力強く豊かなボーカルのハーモニーが絶頂に。観客からは惜しみない拍手がおくられました。
チェン・ミンさんが退場し、バンドのメンバー紹介が終わると、打って変わってアップテンポの2曲。しなやかで全身が弾けんばかりのダンスも、少し披露してくれました。歌もダンスもルックスも、どれもチャーミングな林明日香さん。小さな子どもからおじいちゃん、おばあちゃん世代まで、うれしそうな笑顔が六本木ヒルズアリーナを埋め尽くしています。
そして、いよいよラスト2曲。「劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ」のテーマ曲である「小さきもの」をドラマチックに歌い上げると、野外アリーナに一瞬、風が吹き込んで……。
最後の「自分信じて」では、自作の歌詞を噛み締めるように、自分に言い聞かせるようにうたってくれました。「声が届くかぎり強く 飛べる気がした 作る明日への道」という言葉に込められた14歳の想いに、多くの人が胸を熱くしたことでしょう。
アンコールに応えて、再びチェン・ミンさんとの共演。林明日香さんが初めて中国語の歌詞に挑戦しました。終了後も、歌の音色の心地よい余韻がいつまでも残っていました。
林明日香さんの歌声は、彼女のみずみずしい生命力そのまま。年齢とともにさらに美しく開花していく様子を、期待も込めながらずっと見つづけたい。そう思わずにはいられない夏の午後でした。
●テレビ放映
本ファースト・ソロライブの模様が『林 明日香ファーストライブ&ドキュメント』として、8月30日(土)23:00〜24:00 CS放送「フジテレビ721」でオンエアされます。
(お申し込み&お問い合わせ スカイパーフェクトTV! カスタマーセンター:0570-039-888)
●林明日香デビュー・アルバム『咲』
2003/5/21発売
TOCT-25045(初回盤)
TOCT-25046(通常盤)
3,059円(税込)

●林明日香 3rdシングル『小さきもの/燕になりたい』
2003/7/9発売
TOCT-4545
1,100円(税込)
