二胡奏者、チェン・ミンさん
「心と体を使って聴いてください。」
二胡奏者、チェン・ミンさんの3rdアルバム『i
love -我聞-』は、「古きをたずねて新しきを知る」という言葉にふさわしい、11曲を収めた秀逸な作品です。
収録曲「もうひとりの私」は、哀愁を帯びた二胡の音色によって、揺れ動く心の移ろいをみごとに表現。切なく美しい恋を描いた日中平和友好条約締結25周年記念映画『春の惑い』(田壮壮監督)のイメージ曲としても使われています。
そして、人恋しくなるような、内に秘めた情熱を感じる「恋歌」、曲名のごとく心を開きたくなるような軽快さのある「Open your heart」、山水画発祥の地でもある中国・桂林の、霧にかすむ幻想的な風景を想像させる「山水人和」、それぞれに異なる音色が楽しめるのでおすすめ。また、喜納昌吉さんの作詞・作曲で知られる名曲「花〜すべての人の心に花を〜」は、歌声のようにも聞こえる二胡の旋律が、聴き覚えのあるオリジナルとは違った安らぎを与えてくれます。二胡特有の魅力を最大限に発揮した作品が盛りだくさんで、満足のいく一枚。
中国の長い歴史に育まれた新しい音楽を、心ゆくまで味わってください。
3rdアルバム『i love -我聞-』 発売記念コンベンション リポート
2003年5月15日、綱町三井倶楽部(東京・三田)にて、中国出身の二胡奏者、チェン・ミンさんの3rdアルバム『i
love -我聞-』(5月14日発売)のコンベンションが催されました。
この日はあいにくの雨だったのですが、テレビや雑誌の報道関係者など、多くの人が集まりました。
開演の時間まで、あと数分。コンベンションのメイン会場は、チェン・ミンさんの登場を待たずして、熱気に包まれています。
窓際に設けられた舞台わきの扉が開き、真っ白なチャイナドレス風のコスチュームに身を包んだチェン・ミンさんが登場。その容姿の美しさに場内の空気は一変、パッと華やいだ雰囲気に。
舞台に上がり、「こんにちは、今日はどうもありがとうございます……」と簡単にあいさつを済ませると、早速「山水人和」の生演奏が始まります。二胡の音色は、窓の外の雨風に揺れる木々をも美しく演出し、まるで大自然の中に身を置いているようなすがすがしい気分になります。その後、「もうひとりの私」「Open
your heart」など、全6曲を披露。
トーク・コーナーでは、6月下旬から始まる全国ツアーの総合演出を行う石井竜也さんと息の合ったトークを繰り広げ、楽しませてくれました。石井さんいわく、「チェン・ミンさんは詩の朗読もするんですが、その声がすばらしい。感受性豊かな人だから、独特の味わい深さがあって、BGMにもとってもよく合うんです」とのこと。新たな魅力発見です。チェン・ミンさんは「石井さんは人間的にもすてきな人で、音楽に対する姿勢も尊敬しています」とコメント。お二人のコンビネーションのよさが、「聴くもよし、観るもよし」の完成度の高いツアーになることを期待させます。
3rdアルバム『i love -我聞-』については、チェン・ミンさん自身も楽しみながら制作に当たったとのこと。「これからはアルバムが一人歩きしていくのだな、と思うとワクワクします」と、アルバムにかける意気込みが感じられました。
1stアルバム『I wish -我願-』
2ndアルバム『My Story -我的故事-』