ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第99回 神原 弥奈子さん

99 |
神原 弥奈子さん
|
|
|
坂本龍一さんや伊丹十三監督とも
- 神原
ところが父親も、そうは言ったものの、私とどうコミュニケーションしていいか分からなかったんでしょうね。ですから、起業ということで考えると、今のNews2uを作る時が、初めての経験だったと思います。だって、会社を作るためにグロービスに行きましたもの、私。やっぱり勉強しなきゃいけないと思ったんですよ。
- 佐々木
もうカプスを起業されていたのに、途中で、ですよね?
- 神原
そうです。グロービスと私のオフィスが近かったんですよ。徒歩10分ぐらいで通えたので、終わっても仕事に戻れる。それに、その当時はまだ(グロービス代表の)堀さんと面識もなくて。
- 佐々木
それは良かった。面識がなければ行きやすいですものね。
- 神原
それまでは、経営について勉強する時間がまったくなかったんです。どれだけ寝ずに仕事をしているのが楽しいかっていうことばっかりで、若かったんですね。今はもう、睡眠時間をきちんととって、体調を崩さずにっていうことばかり考えていますけど。
- 佐々木
でも、そうすると、一社目のカプスは、図らずも会社になって、「書きたい」っていう思いを追求しているうちに、インターネットに入って。それをがむしゃらに続けていったら、結構面白い出会いもあった、ということなんですね。
- 神原
そう。今思うと、いろんなことが10年早かったんだなって、改めて。自分が発表する場とか何かをする場ではなくて、一人でも多くの人にインターネットの面白さを知ってほしかった。なにか面白いことができるのであれば、私たちのやりたい事よりも、お客様と一緒にやる方がいいわけです。だって、売り上げも立つし、会社も回るし。
当時は、いろんなものが高かったので、いいハードウェアとか、いい環境で新しい事にチャレンジできるっていうホームページの受託制作に、ガーッとシフトしましたね。
- 佐々木
坂本龍一さんのライブなども話題を集めましたけれど、あれは、カプスのとき?
- 神原
コンサート会場からのライブレポートは、カプスでやらせていただきましたね。坂本龍一さんとか伊丹十三監督にもお仕事をご一緒させていただいて。
- 佐々木
そうですよね。確か伊丹監督の映画のメーキングを作ったんでしたよね。現場にずっと通い詰めていらっしゃったんじゃなかったでしたっけ?
- 神原
ええ。当時は、会社というよりサークルみたいでした。現場の方々に邪魔だと思われないように気を遣っていました。映画の現場も初めてでしたし。
今でも思うんですけど、物作りのこだわりみたいなものを知らずに、プロフェッショナルな人たちの世界に飛び込んじゃったんですよね。
- 佐々木
伊丹十三監督の映画製作現場は、プロ中のプロの現場ですよね。
- 神原
そうなんですよ。周防監督がメーキングビデオを作っていて、それを商品として発売しているような方々のところに、仕事の経験も少ない20代の女の子たちがいきなり飛び込んじゃったったわけです。
- 佐々木
でも、よく許されましたよね。インターネットっていう強さですか? それとも、神原さんの強さですか?
- 神原
やっぱり皆さん、新しい事がお好きなんですよね。特に監督は、インターネットは新しいメディアだっていう認識をされていましたね。既存のメディアの方がまだインターネットに手を出していなくて、新しいことをするためには、誰かと組まなきゃいけない。そこに私たちがいて、一生懸命さが受け入れてもらえたんじゃないかな、と思います。
5/26
|
 |
|
|