ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第89回 財津 和夫さん

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財津 和夫さん
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自分がどのくらい魅力のある人間か、わからない
- 佐々木
すると、素の財津和夫という人間を磨いていくということに、一生懸命にならないと、魅力が持続しないというか……。こう、さまざまな人たちが、いろいろな演出や挑戦をしてくる業界というか、市場の中で、財津和夫らしさっていうのは、「素」でいいんだけれど、だったら、その「素」がどんな人なのかが見えるようにしなければ、と思うんですね。その「素」が、昨日の素より今日の素のほうが、少しは輝いているというか、っていうふうにしたいんじゃないかと思うんだけれど。
- 財津
そうだね。そうなんだけれど、自分がどのくらい魅力のある人間なのかどうなのかまったく分からないし、仕事が来るからやってる、という状況なんですよね。
で、いつも不思議だな、何で仕事をくれるんだろう、って。ありがたいなって思っているし、その、なんで仕事が来るのかな、って分析しようと思ったこともあるんだけれど、結局分からない。
まあなんとなく、昔作った曲を好いてくれていて、まあそれを作った人間とちょっと話してみたいとか(笑)、「私の青春自体はチューリップでした」とか。そういう遺産のようなものでね(笑)。食いつないでいるような気がするんですよ。本当に。別に、ちょっとゆがんだ言い方じゃなくて。だから、多分佐々木さんは、こう、きっと三歩先以上の、十歩先くらいを見据えてね……。
- 佐々木
いえ、全然違うんですよ。私も、やっぱりどちらかというと、来たものに一生懸命なので、タイプとしては同じだと思います。ただ、財津さんは、もう少し戦略的になったら、「素」の魅力がもっと出るのに、と僭越ながら思ったりしているのです。で、今聞いていて思い出したんですが、財津さんにマネージャーのオファーを3回もらったと思いますね。
- 財津
あ、僕が? そんな大それたこと言いました? 私が。
- 佐々木
はい。なぜ3回断ってしまったのかが分からない(笑)。
- 財津
断って正解ですよ。こんな立派なお仕事をされているんですから。
- 佐々木
とんでもございません。ただ、以前からずっと、もっと財津さんを伝える方法があるだろうと、思っていたんですね。
- 財津
ありがとうございます。……そう言われれば、なんかそういうお話をしたような気もしますね。そうか、やっぱり、僕は眼力があったんだね(笑)。マネージャーで落ち着くような方じゃないから、良かったですよ。ああ、急に喉が渇いてきました(笑)。
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