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高橋 伸子さん
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知らない事、わからない事を恥ずかしいと思わないで
- 佐々木
企業は歩み寄るんだけれども、これからどんどん複雑になっていく金融商品を消費者もきちんと勉強しなさい、自立をしていきなさいと言われるわけですね。この対談を読んでいる方ご自身や、そしてその周囲の方には、何を注意して、どんな勉強をしていけばいいのでしょう。
- 高橋
私自身が30年やってきた事は、ひたすら実地勉強。分からない事は聞く。まずは、これですね。講演や講座でも、「販売業者や金融機関に質問できるようになりましょう」と言っています。質問するって実はとても難しいんですよ。少しは勉強しないと、何を聞いていいか分からないでしょう? 販売勧誘を受けたときに、理解、納得できない事に関しては、消費者が質問を繰り返さなければいけないと思っています。
金融商品のパンフレットは、おいしい事、いい事しか目立つように書いてありません。消費者が身を守るために読まなきゃいけない約款や目論見書、預金規定の重要事項にいたっては……。
- 佐々木
読めないような小さな字でね。
- 高橋
そう、読めない。苦労して読んでも分からないですよね。それを許している消費者の側にも、問題があると思っています。分からないものを分かった事としてハンコを押して契約してしまっているわけなので。
もちろん被害救済の場では「消費者を騙した」と言いますけど、消費者がそうやって、「分からないからお任せ」っていう姿勢を変えていかない限りは、いくら法律を作っても、いくら救済の場を作ってもだめだと思うのです。消費者自身が強くなるためには、知らない事、分からない事を恥ずかしいと思わないで、きちんと聞いて、理解、納得できた商品やサービスだけ手に入れる。そういう事をやればいいと思いますね。
私は不経済学部出身で、昔は分からないことだらけでしたが、取材の前には自分なりに勉強しました。分からない事は調べる、というところから始めていただきたいです。
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