ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第85回 Clay Chandlerさん

85 |
Clay Chandlerさん
|
|
|
日本は、アジアの中で存在感があるかというと
- 佐々木
クレイは、日本に関しては、ジャパン・タイムズからフォーチュンの香港支局長まですごく長い。ベテラン。
- チャンドラー
もう20年になるんですね。ジャパン・タイムズに勤めたのが85年。
- 佐々木
香港をベースにしていると、中国も見えるし、インドも見えるし、日本も見える。そんな中で、アメリカ人から見て、日本はアジアの中で、どういうふうに見えるのでしょう? たとえばね、日本の関係者……たとえば外務省を含めて話しをすると、「いやね、いろいろと言われているけれど、日本はうまくやっているんだ」と皆さん答える。
「ヨーロッパの国の要人が中国だけ訪問して帰っちゃうっていうことは、日本を忘れているのでは?」と聞いても、「あ、皆、知っていてやっているので、別に忘れているわけじゃない」って、皆、一生懸命、弁明するんですが、実際に私は、海外から見ると、日本は忘れられているような気がするんです。存在感がない、というか。それはどうですか?
- チャンドラー
そうですねえ。まあ、むずかしい質問ですが、簡単に言えば、その政府の人が言っているほど、アジアの中では、存在感は決してない……ということですが。それはもちろん国によって違うのですが、僕にとって、僕の目から見て、極めて残念なことなのですが、日本は世界で第二位の経済大国ですし、アジアの中で一番大きい経済のウェイトを占めているわけなので、当然、その分だけの存在感っていうか、あるはずなんですが、経済のウェイトよりもずっと下回る、外交の存在感になってしまってますよね。
- 佐々木
外交が下手?
- チャンドラー
外交が下手っていうかね。外交と政治家がやっていることが矛盾しているっていうか。たとえば、中国のことを考えて、政府レベルでは、日本の政府は、たくさん資金面で貢献しているじゃないですか。
- 佐々木
ODAとかね。
- チャンドラー
ずっと昔から、ODAとかたくさん……。で、日本の企業もだいぶ、この頃、工場を建てたりして、いろいろな技術を提供しているわけなんですが、それに対して、総理大臣が、公式の靖国神社の訪問をすることによって、その何十年にも渡ってきた努力が、台無しになっちゃうっていうことが、もったいないなっていう、第三者の僕としてね、言わざるを得ないですよね。
2/32
|
 |
|
|