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Clay Chandlerさん
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ひとつの記事を複数の人が書くときは
- 佐々木
ひとつの出来事を複数の人が書く、なんていうことは、あんまりないですか?
- チャンドラー
それもね、アメリカの新聞、雑誌の中で、過去10年間で、だいぶ変わってきて、だいぶ揉められたんですよね、そういう複数の記者が書いた記事は。多分、ある程度、新聞、雑誌によって変わってくると思うんですよ。たとえば、僕がウォール・ストリート・ジャーナルにいた時に、協力して書いた記事がよくあったんですね。
たとえば、金融の話だったら、例えば、日本の不良債権の話は日本の問題だったんですけれども、その影響が全世界に及ぼす結果をもたらすわけでしょ? ですから、例えば、今でも思い出すんですが、カナダの有名な不動産開発業者‐オリンピア・アンド・ヨークという会社が倒産したことがあって、その会社はね、日本の銀行からたくさんお金を借りたことがあるんですね。
だから、そのオリンピア・アンド・ヨークの問題は、ニューヨーク在住の記者が書いたんですけれども、それで話が全部わかるわけではないですから、僕に電話をかけてきて、「この点はわかるんですが、このあとは調べてくれないか」と。だから、僕と彼の場合、両方が出てて載せるんですよ。
でも逆に、ニューヨーク・タイムズは、昔から、それは嫌がるんですよね、どうしても。この頃、3人でも4人でも協力して書けるようになったのですが、もうニューヨーク・タイムズは、すごく細かく、誰がどこから、どういうふうに貢献したか、ということが出てくるんですよ。あるいは、記事の上に、大きなボックスの中に出てきて、たとえば、この記事は「デイビッド・サマーが取材しました」とかま「サンダース氏が書きました」と出てくる。だから、その各記者がどこを書く役割を担ったのか、取材の役割の記者は、どこにいたのか、どこでネタを得たのか、とか細かいところまで書いてあるんですよね。
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