ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第83回 石橋 慎二さん

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石橋 慎二さん
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プロサッカー引退後に、企業で学んだ経営
- 佐々木
お話をうかがっていると、サッカーに対する思いや理念もさることながら、経営の腕が相当あるようにお見受けしたんですが、どちらで経営を学ばれたんですか?
- 石橋
まだまだ毎日が勉強です(笑)。経営に関しては、実は30歳で現役引退をして、全日空グループの人事に入ったんですけれども、そこで育てていただいたって感じです。やっぱり全日空自体は基本的に許認可事業ですので、競業他社も数社しかなく、その点、僕がお世話になったホテルレジャー部門は周りに競合だらけ、要は全日空の経営手法ではかなり合わない部分があるんです。だから自分が所有する会社のごとく、本当に真剣に考え勉強しましたね。
全日空グループには百社近い関連会社がありまして、その大半は航空関連です。本体が順調なら何とかその勢いに引っ張ってもらえる。ただし関連会社の中でもいろんな意味で一番大きいのは、やっぱり全日空ホテル事業だったんですよ。国内外にいっぱい進出して。でも、ホテルは、許認可事業じゃない。周りに外資のシェラトンだ、インターコンチネンタルだ、ウェスティンだ、で、国内では御三家をはじめ、東急さんだ、いろいろホテルチェーンが出てくるじゃないですか。
それなのに、僕が人事にいたときには、それを先取りした対応が後手後手で、ホテル事業の経営が何かをしたくても、抜本的な変更の承認を取得するまでとにかく時間がかかり過ぎて。そんな時、自分が決定権者ならこうするとかこう判断するとか、それは反面教師でかなり学びましたね。あと、意味不明な人事の定期異動……これには本当に閉口しました。ここから先の詳しい話は聞かないで下さい。僕も人事部にいましたので同罪ですので(笑)。結局、業績は日本の景気動向と同じで横ばいから下降ぎみになりはじめて。ただ、看板があるんで、それなりの開発もできて。
- 佐々木
そうですよね。ある程度のことができちゃいますよね。
- 石橋
でしょう? で、ホテル事業って、飲食材費と人件費をコントロールできなけりゃ、利益がなかなか出ないんです。そこをコントロールするために、「改革しましょうよ」っていうことで、全日空ホテルグループ全体を上げて、改革推進室っていうのができたんですね。
そこで、その時のプロジェクトチームができた。コミュニケーション、ファイナンス、IT、マーケティング、人事システム。で、僕は人事システムチームのリーダーを拝命して、何とかやって。担当役員が全日空本体の副社長で。その時、全員、その改革推進室のメンバーを集めて、「ここが勝負の時だ」と。「お前達、悪いけど、汗もかいてもらうけど、血も流す覚悟でやれ。そこまで真剣にやってグループ全体を建て直せ」とかって言われたのが……。
- 佐々木
それ、何年ですか?
16/23
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