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藤沢久美さん
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知恵が集まる5つのキャピタル:ナレッジ、リレーション、トラスト、ブランド,そして……
- 藤沢
結局これからは、シンクタンクがソフィアバンクに進化するはずだって思っていてね。で、パートナーは各現場にいる人たち。その現場のリーダーたちであれば、知恵がそこに集まってくる、という発想なんです。そして、私たちソフィアバンクでは5つのキャピタル(資本)があるはずだって考えているんですね。
ひとつは、「ナレッジ・キャピタル」という、知識とか知恵とかっていうキャピタル。ナレッジ・キャピタルっていうのは、ひとりの人が持っているもので、私が提供できるナレッジって限られているんです。なので、そのナレッジをたくさんの人に提供するには、「リレーション・キャピタル」っていう形で人を紹介すれば、もっと幅広い知恵が提供できると。
さらに言えば、「佐々木さんを紹介しますよ」って言うと、佐々木さんのナレッジキャピタルをお借りできるし、さらに佐々木さんのリレーション・キャピタルもお借りできる。けれども、そのリレーション・キャピタルを提供するときに、もうひとつ大事になるのが「トラスト・キャピタル」。
やっぱり信頼がないと、紹介しても、そのキャピタルは消えてなくなったり、逆にマイナスになったりするので、やっぱりトラストっていうのを、どう提供して差し上げるかっていうことも、やらなきゃならない。それは、紹介するときにきちんと相手を見極めて、この人なら自信を持ってご紹介できますということでしょ。だから、人を見る目がトラストにつながるんですよね。それで、そのトラストの、さらに次に必要になるのが、ブランド。
たとえば、ある人にブランド・キャピタルを提供するというのは、ソフィアバンクで運営している、「社会起業家フォーラム」で、その方を紹介したり、私たちが関わっているラジオやテレビや雑誌などのメディアにその方を紹介することです。そうすれば、その人にブランドがつくことになります。
で、最後に、きっと、「マネー・キャピタル」っていうのがついてくるじゃないかと。でも、これはまだ、ソフィアバンクとしてチャレンジしていない部分ですね。今は「ナレッジ」、「リレーション」、「トラスト」、「ブランド」という4つの「ソーシャル・キャピタル」をどう提供するか、考えてます。
つまり、ソフィアバンクは、ソシオ・インキュベータで、社会で働くすべての人と協働して社会を創ろうとしているんです。だから、人を抱える必要はなくて、そういうキャピタルをネットワークしておくことをしてるんです。
- 佐々木
私、ユニカルは「人のネットワーク」っていうコンセプトで作ったんだけど、「ネットワーク」っていう言葉が当時はなかったのね。だから、すごく新しい概念だと多くの人にその時は言われたの。通訳者を語学屋さんではなくて、語学プラスその人の人柄や資質っていうものをひっくるめて、「コンサルタント」という考えで企業に提供したからなんですね。
イー・ウーマンも同じような考え方で、いままで、情報ってマスメディアを通すから、「専門家が一般人に語る」っていう上下関係になっていたんだけど、インターネットはみんな平等に知恵を持っていて、体験を持っているから、小袖情報交換をして知識や体験を蓄積しよう、と思った。
イー・ウーマンのサーベイでも投稿ルールのひとつに「アイ・ステートメント(“I” statement)」があるんですね。誰もが一人称で自分の知識や体験、提案を語れば、全部が正しい情報で、これを貯めていくことで財産になる。人々の役に立つよねと思って。まさに、いま、藤沢さんがおっしゃったことに、とっても重なるなって思ってるんですけど。
- 藤沢
だから私たち、本当にイー・ウーマンをすごく参考にしてるんですよ。「社会起業家フォーラム」なんか、まさにそうだから。
- 佐々木
多くの人に、「イー・ウーマンは素晴らしい会社で、多大なる無形資産を作ってきましたね」って言われるんだけど、「そろそろ有形資産を作られたらどうですか?」とも言われる(笑)。それがきっと、今おっしゃった、最後のマネーの部分かな、と。やっぱり、社会的価値とか、信頼がマネーにもなっていかないといけないですね。
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