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アシハラヒロコさん
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偶然のデビュー
- 佐々木
そうすると今のアシハラさんが、光り輝くのはいつから?
- アシハラ
40歳の時に三菱地所からマンションの仕事が事務所にきてね。一戸ずつ丁寧にプランニング、つまり生活のシーンをきちっと読んで設計をしたんです。そうしたらもう大感動してくれて、「マンションでこんなことができるんですね、考え方が変わりました」って言われました。あのときの嬉しさは忘れない。で、「あの、じゃあモデルも設計と、中も入れてください」と。
- 佐々木
モデルルームの設計とコーディネーションですね。
- アシハラ
そう。設計は良いけれどコーディネーションってやったことないのに。一瞬戸惑ったけれど、普段から施主のお宅でアートから家具から食器からカーテン、リネンまで皆選んでいるので、自分でグラスからお皿から買いに行ってね。初めての挑戦はワクワクしてあれは忘れられない。いろいろな意味で。
自分のデザイン性に合致するアートを探して、ギャラリーをまわったりなんだりしているうちに、ここだっていう方に出会ったりとか。やっぱりそうして自分で一生懸命やっていったら、それはかけがえのない出会いがたくさんあったんですね。
- 佐々木
初めて、家の中との一体化のようなことを考えて、選ぶという機会にもなったんでしょうね。それに、出会い。
- アシハラ
今から考えると私の財産である人の輪のスタートかも知れません。そういう意味では三菱地所さんに「全部任せます」と言っていただいた責任の重さを私なりに受け止めたことが今の私につながったように思います。
一人で良い仕事などできない。周囲のすばらしい各々のプロが私を助けてくださる。本当に感謝の人生です。
その時までは、私は個人邸も、発表できないような方のお宅をやってきたから、外に名前を出す必要はなかったんですね。でも、マンションという不特定多数の方へ設計するわけだから、地所にしてもきちっと名前を出したいと。
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