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アシハラヒロコさん
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建築家の役割として
- 佐々木
私は、実は、子供の頃に方眼用紙に間取りを書くのが好きで、今でもリフォームなどは自分で書いて、素材も選んでっていうタイプなんですが、やっぱり常に自分の癖みたいなものがでるんですよね、考え方に。
- アシハラ
ああ。だから私はよく、「よく毎回違うデザインしますね」って言われるんだけど、それは施主の好みとか、あとは持っていらっしゃるもの、やっぱりそれをずっと大事にしたいというものを、活かすからじゃないですか。それでも、私なりのデザイン性に立脚していますけれど。
施主とのコミュニケーションの中で、大切になさってお置きになりたいというものがあれば、それに合わせて空間を考えるんですよ。
- 佐々木
絵画や家具や、お持ちのものに合わせて家をつくる。
- アシハラ
そう。だから中からの発想というか。勿論私のデザインストーリーにどうしても合わなくてということもありますけど。「じゃあ、もうしょうがないからここに置きましょう」ということではなくて空間を考える。そういう発想の仕方をしているから、その家によってデザインが違うし、また材料もお好みがあるから、それは丁寧に話しながら。
ただ大切なのは、全部が全部、お好み聞いていると統一感がなくなるし、施主に迎合するだけではいけない。それなら、大工さんに直接頼んでもらえればいいわけで。建築家の役割とは何か? といつも思います。何回も言っているようだけれど、完成度を高めるためにはいろいろな方向からつきつめていく。どれがこの方にとって本当に気に入っているのかっていう、例えば素材だったら、それに対してはうちの方で全部派生させていって、破綻のない世界を作ろうとする、っていうこともする。
- 佐々木
ふーん。
- アシハラ
だから相手の好みを読まないといけない。と同時に私の解きたいデザインスタンスもはっきりさせる。何でも受け入れるわけではなく、うーん、受け入れられているように感じていただくようにもっていくというか……。企業秘密ですが……(笑)。
- 佐々木
興味あるなあ。
13/24
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