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アシハラヒロコさん
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お客様に育てていただいた
- アシハラ
そうですね。戸建住宅のお話をいただいて、土地を読みながら建てる話しもありますし、近頃は新築マンションの中の一軒全部のリノベーションもあります。ありがたいことに私は、二十何年、施主に育ててきていただいた人生なんですね。
日本の名だたる方たちばかりのお宅で、それも永久の住処のつもりでお建てになるわけですから、生活の達人はあちらです(笑)、勿論。けれど、私はとにかく一生懸命に取り組むことと、わからないことは伺っておいて、必死に調べてお答えを返すっていうようなことをしているうちに、ご信頼いただいて。
「こいつにやらせれば、いい家ができるかな」と思っていただいた。本当に感謝の人生で。材料にしても、アートにしても、暮らしにしても、本物っていうのは何かを実際に見ながら接しながらこつこつ歩んできました。
- 佐々木
ご自身がそれはもう、日々学んでいないと、結局はお客様の方が、すべて知ってて、「これ、知らないの?」ってなったら困りますものね。
- アシハラ
そうなんです。それはもう仕事としては成り立たなくて。お互いにリスペクトがないと。例えばかをりさんが私に家を依頼してくださる。「ヒロコさんなら、いい家を作ってくれるわ」って思っている。私の出す答えに対して「これでいいのかしら」と疑心暗鬼になったら、家をつくることを楽しんでいただけないんですよ。「やっぱりヒロコさんって、いい家を作ってくれる、だから頼んでよかったわ」って思っていただけるように、私はもっていかきゃいけない。
- 佐々木
そうですね。相手の生活スタイルやレベルみたいなものに合わせての提案をする必要がある。あるいは、それを引き上げるための提案。
- アシハラ
だから、その時に小さなことでも例えば、「食洗機ってどこのメーカーがあって、どこのが優秀なの?」って聞かれたら、私はその場で自然に答えたいし、アートの話があったら答えられるようなインテリアアーキテクトでありたい。
建築の、サッシの話があってもしかり、食器の話があっても、要は何をいただいてもそれなりにお答えができるように、いつも自分自身がさまざまな興味をもって生きていたい。あらゆる住空間の中で自分の経験として蓄積できるよう、五感を研ぎ澄ませると言うと、大げさかな? でも、感覚を大切にしていたいのです。
10/24
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