ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第57回 茂木 健一郎さん

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脳科学者 ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー
茂木 健一郎さん
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組織のリーダーと気づき
- 佐々木
組織の中のリーダーシップ論にも当てはまりますよね。
- 茂木
そうですね。要するに、安全基地を提供するようなリーダーならいいわけですよね。個々のところまでは指示しないでも、勝手に自分でやっていってくれる、と。それはなかなか難しいですよね。
- 佐々木
理想ですね。私も、そう思って試みるわけですけれど、なかなかできていないですよね。私としては、安心安全で、各自が150%発揮できる環境を与えているつもりなのに。それがうまくいったとき、いかないときって微妙に変化していくんですよ。
- 茂木
分かります?
- 佐々木
分かります。見てとれます。
- 茂木
それは、常々ぼくも感じていることですが、うまく行かないときにどうするかって言うのがポイントですよね。それはね、なかなかいい処方箋が見つからないのが現状ですね。特にネガティブなサイトに入っちゃったときにどうするかっていうのが、これは脳科学の今のところ扱っている領域じゃなくて。
カウンセリングとかコーチングとか、そういうところで少しやっている人がいるか、っていうところで、そこらへんまではなかなか科学的な意味では踏み込めないですね。
ただ、私自身は学生時代に、カール・ロジャースっていうアメリカの心理学者の、ご存知ですかね、client-orientedのいろいろな教育の研究をされている方で、彼が言っていることは、要するに、自分の問題は自分が一番知っている、ということなのです。
だから自分で自分の問題を発見させて、解決させる、気づく、気づかせるっていうことが重要だっていう理論を出したんですよね。ぼくはそれは、すごく正しいな、と自分の経験からも思いますね。ただ、脳科学のエビデンスとして、そういうことが見えてくるまでには、まだちょっと至っていないですけどね。
17/25
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