ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第55回 山川 隆さん

55 |
山川 隆さん
|
|
|
生物学から学んだ生き方
- 山川
たとえばですね。横浜国大に、宮脇先生っていたんです。この人の専門は、植生学、生物学。1年生の時に授業を取ったんです。面白い話で。たとえば松は、海辺に、三保の松原のように、群落を作るんです。松を固体で育てると、一番よく育つのは、別に塩辛い水が混ざる土壌ではない、ではなぜ松は海岸に群落を作るのか。
相対的に有利だから。相対的に有利っていうのは、固体としてそういう生育環境を一番好むわけではないけれど、生態学的にはその環境が一番いい。自分にとって一番いい環境に行くと、もっと強いやつがいるからそこでは群落は作れない。
- 佐々木
それはすごく面白いですね。
- 山川
すごく面白いです。だから彼が言いたかったのは、だからきみらは、ちょっと辛いくらいでぶうぶう文句を言うな、頑張れ、と。
- 佐々木
生物学で、人間の本質をとらえるから怖いですね。
- 山川
ええ。だから、ちょっとぐらい辛いときっていうのは、他人はもっと辛いかもしれない、ということを言っていましたね。
- 佐々木
それは、山川さんの生き方なんですね。
22/24
|
 |
|
|