ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第53回 細川佳代子さん

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特定非営利活動法人スペシャルオリンピックス日本 理事長
細川佳代子さん
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母と父の後ろ姿が、教えてくれた
- 佐々木
行かせてあげたほうが、ですか(笑)。お母様はキリスト教徒?
- 細川
いえ、母はもう、めちゃくちゃ心の広い人でした。そして、人の悪口を聞いたことがない。不平不満愚痴、そういうのも聞いたことがない。常に前向き。包容力がある。
- 佐々木
お仕事されていたんですか。
- 細川
ううん、普通の主婦。何もしていない。4人兄弟、私は末っ子。だから4人目となると、ほら、ほったらかしでしょ、だいたい。それがよかったわけ。ほったらかしにされてたから。
- 佐々木
そんなお母さまの教育というか、ご自宅での教育環境で、他には何がよかったですか。
- 細川
それはね、口で言った教育じゃないのよ、家は。母と父の生活態度というか、日常の後ろ姿よね、やっぱり。誰でも受け入れる。いつも人が集まる。そしていつも、なにかお世話をしている。人の世話をして、困ったときに一生懸命相談に乗っている。
そうやって本当に、暗い不機嫌な顔って見たことないし、不機嫌で不愉快でみんな暗くなるっていう、そういう雰囲気を味わったことがないの、家で。いつも気持ちがいい。楽しい。
- 佐々木
そういわれてしまうと、私なんか、どうしていいのか。ナントカ教育法って言っていただいたほうがずっと気楽です(笑)。家で、親が、不機嫌な顔はしない。それは、本当に親の修行と言うか、親の心がけ……。
- 細川
だから、こうしなさいとか、ああしなさいとか勉強しなさいとか、そういう何か教育的な言葉を聞いた覚えがない。人の善意しか信じていない、そんな家庭環境で育って。そしてまた学校が白百合という、幼稚園からずっとカトリックで、やはり、人間愛とか隣人愛とか、もう愛、そして奉仕。
奉仕っていうのが、何のために生きるかというと、それが原点というような、やっぱりなんとなく、小さいころからそういう話を聞かされている。それと、そういう家庭の環境というのが、やはり私の心を育ててくれたんだと思います。いつの間にか、毛穴からじわじわと入ってきたんだと思います。
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