ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第52回 和田裕美さん

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和田裕美さん
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普通の人が脚光をあびる世界
- 佐々木
芸能界?
- 和田
チャンスは平等、結果は不公平です。例えばCDを出してデビューするチャンスがあっても売れる人は大成功するけど、売れない人は食べるのも困難ですよね。ただ、芸能界は、すごくきれいだったり歌がうまかったり、それでチャンスに恵まれているとか何かが必要なんですけれども、営業の場合は人から嫌われないという最低条件さえあれば、可能性はあるわけですね。
そこの部分で私は、中学、高校とかでも学校で成績が一番とかスポーツが一番とかじゃなく、スポーツをやってもレギュラーになれないとか、脚光を浴びることがない普通の人生を歩んできて、大学もそのまま普通の女子大生をやって、そういうごく普通に生きてきた人間が脚光を浴びる世界を見たんですよね。
- 佐々木
一生懸命に働き、成果がでると、褒められるという世界、ですね。
- 和田
そう。それで、私にもできるかもしれないって思ったきっかけがひとつ。それと、営業って物を強引に売りつけるっていうイメージで嫌悪感を持っていたんだけど……。
- 佐々木
それなのに、その世界に飛び込んだわけですよね、面白い(笑)。
- 和田
そうなんですよ(笑)。それは反面、お金を稼ぎたかったから。お金が稼げる世界って、当時、小さい脳みそで考えたとき、たとえば私は光華女子大学っていう京都の大学を出たんですけれども、東京で転職しようと思ったときに履歴書を持っていったら、「どこの大学?」って聞かれるんですよ。
そういうところで、自分の世間知らずさと経験のなさによって、仕事はないけれど、東京でひとりで自立して、ある程度のお金を稼ぎたいと思った。
でも、23、24歳くらいの頃ってお給料は少ないし、大変だから、ちょっと貧乏をするんですよね。ちょっと貧乏っていうのは、たとえば友達と居酒屋に行って、友達が高いものを頼むとドキドキするくらいの貧乏。あ、ちょっとやだなって。
- 佐々木
私は、そういう場にもいかなかったなあ。15歳からアルバイトを始めたんです。外でお腹がすくと、友達とマックシェイクを一つ買う。そして「コップとストローをもう1つください」って言って、2人で分けて飲んでた。あれ、力いっぱい吸うのでお腹がいっぱいになるのね(笑)。それと喫茶店。一番安いのが「トースト130円」だったりしたので、2人ではいって「お水ください」ってお水を飲みながら、一つのトーストを半分に分けて食べたり。
- 和田
あれ、何か貧乏だ……(笑)。
- 佐々木
あははは。でも、私、そういう高校生活でした。大学の前半もそうだったかな。別に家が、裸電球で、っていうわけではないんですが。
- 和田
ああ、それ、すごく質素ですよね。わかります。貧乏さって、辛い……。
- 佐々木
いえいえ、辛くはなかったです。いろいろ工夫はしましたけどね(笑)。
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