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株式会社アドバンテッジ パートナーズ 共同代表パートナー
リチャード・エル・フォルソムさん
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100件案件をみて、2、3件に投資
- 佐々木
教えられないことかと思いますが、買収する会社、企業の目のつけどころってどんなところですか。
新聞記事によると、ダイエーのことなどは、2004年の夏から研究を始めたと出ていたし、この前伺った日本海水などの塩の話もおもしろい。各分野をちゃんと抑えていますよね。どういうプロセスで、どのくらいの期間をかけて、何を、どうやって調査して、買収先を選ぶんですか?
- フォルソム
そうですね。まず感覚として、年に2件から4件くらいの投資です。ですから、1997、98年に始めて、これまで16件くらい。年に2、3件に投資するには、だいたい平均して100件以上、80件から150件くらいの案件を見ています。その100件前後を見る中で、我々からぜひやりたいなっていうのが10件くらいで、それから先方と条件が合わなかったり、いろいろな検討の結果、3、4件になったりするんですね。
じゃあ何を見るのかっていうことなんですけれども、まあ大きく言うと、その事業の魅力と投資としての魅力。この2つは実は違うものなんですね。事業は非常に魅力的であっても、投資条件とかが良くないのであれば、投資案件としてはふさわしくないと。
- 佐々木
でも事業に魅力があれば研究対象の企業リストには入りますよね?
- フォルソム
入ります。事業の魅力と投資条件の魅力という2つの軸で、これを詳細に見る。
まず、事業の魅力というのはどう見ていくのか。その会社が属する市場や産業の状況、その中での当該企業の強みは何なのか、どういうポジションにあるのか、各競合他社に対してどういう優位性があるのか、あるいはあり得るのか。それがその商品・サービスの内容そのもの、顧客ベースや地域のドミナンスであり、チャンネルであり、何か強み、そのビジネスモデルにおける強みが確認できるかどうかっていうのを、まずは見ますね。
で、産業の魅力っていうのは、もちろん急成長してるというのはその魅力のひとつではありますけれども、どちらかと言うと、これまで投資したところは、わりと成熟、安定市場が多いんです。その中で、商品・材、あるいは顧客における強みがあって、その中での経営戦略あるいはマーケティングの巧拙によってシェアが決まる、他社に優勢を持つ、というようなところがわりと多いんですね。
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