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HP研究所シニア・フェロー、Viewpoints Research Institute プレジデント
アラン・ケイさん
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子どもがどこでも使えるパーソナルコンピュータ
- 佐々木
パーソナルコンピュータという概念を考えだし、実際に世界中の人たちが使うモノを作られるのですから、そのワクワク度も大きいでしょう。
- アラン
1960年代に、パーソナルコンピュータを作ることが初めて可能になりました。最初に私たちが取り組んだのはデスクトップマシンで、今日のデスクトップとよく似ていました。
その後、シーモア・パパートが考案した子ども向けスクリプト言語を使って、コンピュータでなければできない方法で子どもたちに数学を教えているのを見て、私は専門家のためではなく、子ども向けに特化したコンピュータを作ることがどれだけ大切かを認識しました。
遠くない未来に高解像度のノート型コンピュータができると予測できました。既にその形は頭に思い描け、モデルも絵に描いていました。また、パパートが子どもたちに行った功績から、オーサリング言語や子ども向けの環境を作って、子どもたちが自分でプログラムを構築しながらパワフルな思考を学べるようにすることができると思ったんです。
- 佐々木
今から40年も前に、ノート型コンピュータの絵を描いていらしたのには、驚きました。今私たちが手にしているものと、何も変わらない、とても具体的な絵ですよね。
- アラン
私たちがゼロックス・パロアルト研究所で達成したこれらの多くのアイデアは今日、大人が使っています。まだパソコンは高額で、子どもが持てる値段ではないからです。多くの学校を訪問する機会がありますが、子どもたちがラップトップを使っているところは見ません。
- 佐々木
移動性があるかどうかも、確かに大きいですよね。
- アラン
子どもは学校の外で最も多くのことを学ぶ、というでしょう? そういうことも考慮しないとなりません。これまで知らなかったことを学校で見つけられれば、その子どもは非常に幸運です。その新しいことを実際に学校の外で学べれば、さらに幸運というものです。
コンピュータ革命は、子どもたちがみな自分のコンピュータを持てるようになって、いつでも学んだアイデアや考えているアイデアを探求できなければ、完全とは言えません。
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