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大久保ヨシさん
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こだわりは「ハサミ」。ついに、オリジナルブランド完成
- 佐々木
そういえば、先日頂いたあのハサミ、すっごくいいです。やっぱりプロのハサミは違う。わたし、子どもたちの髪をカットしていて、もしかしてプロになれるんじゃないかと思うくらい、自分でほれぼれして(笑)。
- 大久保
難しいんですよね、子どもの髪を切るのって。でも、かをりさん、器用だから。普通のハサミで、耳も切らずに上手に切ってましたよね。それで、僕、そこまでできるのならプロ用のハサミをお渡ししてもいいのかなって思って。
- 佐々木
いやあ、でもプロの道具って違うもんですね。使いやすい。町じゅうの子どもの髪、切りたいくらいです(笑)。当然ヨシさんも道具にこだわるわけですよね。
- 大久保
そうですね。ハサミは特にね。サイズと切れ味とバランス、刃の部分の長さ、クロスしている部分の位置とか……いろいろあるんですよ。それで最近、どうしても気に入ったハサミを手に入れたくて、ハサミを作って40年とか、その昔は刀を作ってました、というような職人さんたちの工場に行きまして。
- 佐々木
自分のハサミを作ってもらうために? 大田区とか?
- 大久保
そう。昔自分が子どものころにあったような町工場みたいなところがたくさんありましてね。そんなところに最高のハサミ工場があるんです。職人さんたちがつくるハサミは、切れ味なんかはすばらしいんですけど、実際に美容師さんが使っている場面を見たことがないので、バランスが難しいようで。
で、僕が、こういう使い方もする、ああいう使い方もするというふうに、職人さんたちの目の前で実演するんです。こういうときに切れ味がこういうふうにいってほしいとかね。たまたまその時、大学を卒業して職人の世界に入る子たちもいたから、「僕が欲しいのはアメ車じゃない、フェラーリが欲しいんだ。無駄のない、スピードの速いものが欲しいんだ」なんて話したり、ね。
普段ぼくが使っているものを基本に試作品を作ってもらって、そこから「もう少しこの部分が取れない?」というふうに。まず2つ作ってもらいます。
- 佐々木
それでまず1号ができて……。
- 大久保
それでも、手づくりですから、まったく同じ物はできない。そこからまた、リングをもう少し大きくしてくれとか、刃の部分を2ミリ出してくれとか。
- 佐々木
それはすばらしい話ですが、何のきっかけもないのに自分から工場に行ってつくったんじゃないですよね?
- 大久保
普通は向こうから頼んできますね。ある程度目立った存在でないといけませんが。それで名前を入れてもらって。
- 佐々木
ヨシさんの名前入りなんだ。それはいくらぐらいするんですか?
- 大久保
6万円ぐらいですね。あんなちっちゃいものなのに、けっこういい値段するんですよ。普通は3万円ぐらいが一般的かな。最高で10万円ぐらいのもありますが。
- 佐々木
ヨシさん個人のためだけじゃなくて、販売されるんですか?
- 大久保
僕から見ると自分のためだけど、依頼してきた相手からすると誰々が考案したハサミということで。よく売り出されてます。今、3号目。
- 佐々木
ヨシ・ブランドが売れてるんだ。
- 大久保
売れてます(笑)。今は「世界一軽いものをつくれ」と言ってます。
- 佐々木
やっぱり命はハサミ?
- 大久保
「くし」とかも、自分で削ったりして調節しますけど、だからといってくしをデザインしてくれと言われても、そんなに変化があるものでもありませんからね。やっぱり好きなハサミが一番。あとは、スキー板なんかデザインしたいね(笑)。
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