ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第17回 志村季世恵さん

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志村季世恵さん
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人間ってすごいんだ
- 佐々木
最後に伺いたいのは、志村さんご自身の健康管理とか、ストレス発散法などについてなんです。
わたしも20代のときにトレーナーなどの立場で人の深い部分に触れたことがあるのですが、特にわたしの場合は、大勢の人を一度にみていたこともあり、彼らの悩みや怒り、苦しみをわたしの体が受け止めてしまうこともあって、随分体調管理には気を使いました。
志村さんは、さまざまな人の悩み、痛みを分ち合い、また、人が亡くなるというシーンも目の当たりにするわけですよね。ご自身のストレス発散などは、どうされているのかな、と思って。
- 志村
わたしは心のどこかで、人って絶対に幸せになる、というのが確立されているのだと思う。死を宣告された病気にかかったから不幸、というわけではないんですよね。たしかに、悲しくてつらいことなんだけど、不幸とは違うような気がするんです。じゃあ、不幸なときってどんなときかというと、自分が不幸だと思っているときなんです。
ただ、その渦中ではいろいろとあるから、人が亡くなったら、食事ものどを通らなくなるし。でもそれに対して、嫌だと思わないようにしようとしているんです。
自分の肉親が、もしがんになったり、病気になったりしたとしたら、ストレスがたまるわけではないでしょ? 「どうしよう」という不安感はあっても、第三者から受けるストレスではないと思うんですよね。ストレスって家族からはあまり受けないものなんですよね。
ということは、わたし自身が家族寄りになっているんでしょうね。ずっぽりかかわったほうが早く解決すると知っているんだと思う。
やっぱり、かかわる前は、「もう駄目だ、耐え切れないかも」って思うんだけど、かかわることに慣れてくれば、腰を据えるんです。ちゃんとかかわろうって。
変な話、ギックリ腰になるときって、中途半端な体勢で荷物を持ち上げようとするからそうなるわけでしょ。でも腰を据えて物を持ち上げれば持てるじゃない。それと似てるんじゃないかな。
かかわるときは、ちゃんとかかわりますって自分の中で決めているの。たぶんセミナーの場合だと、一瞬一瞬なので生活までは共にならないと思うんですが、わたしの場合は、その人の生活も含めてずっとだから、もっともっと深いんですよね。
人のケアをする時っていうのは、「あなたが一番幸せだと思うことに対して、そうなるようにお手伝いします」と言うんです。そうすると、みんなそうなるように努力するんです。それで「やっぱり人間ってすごいな」と学ぶ。その「人間ってすごいんだ」ということがわかっていれば、苦しくならないんです。
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