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志村季世恵さん
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「家族」というルール
- 佐々木
家族については、いかがでしょう?
- 志村
子どもについては、1年に1回か2回、「親がやるしかないか! 今日はちゃんと教えなくちゃ駄目だ」と思って立ち向かうときがありますよね。この子最近ちょっとおかしいな、と思うと。
- 佐々木
たとえば?
- 志村
うーん。いくつもあるけど、子どものプライバシーもあるからね(笑)。
そういえば、長男が高校の1年生ぐらいの時に、文化祭の仕事をして、ディベートもやっていて、インターネットのコミュニティーで出会った人たちとのオフ会なんかもあって、ずっと寝ない日が続いていたんです。3日連続で徹夜して友だちが泊まりにきていたから、4日目になって、「もうさすがに今日は寝なきゃ駄目よ」って言ってみんなを家に帰したわけ。
長男はヘロヘロになって学校から帰って来たので、わたしが「今日は寝たほうがいいよ」って言ったら、「今日どうしても、あと一人、連れて来たい人がいるんだけど」と言うんです。その時、わたしには珍しく理由も聞かないで「今日は駄目だよ。寝なさい」って言ってしまったんです。
それで、その夜お風呂に入っていたら、母がノックして、「お兄ちゃんの部屋に誰か来てるわよ。一人。しかも女の子っぽいんだけど」と言いに来たんです。その時、「ああ、あの時、話を聞けばよかった」と思ったんです。まあいいや無視しておこう、と思ったんですが、母が「そういうわけにはいかないでしょ。女の子よ」と。
そっか、じゃあお風呂に入ってちゃんと考えよう。なんて言ったらいいんだろう、とか考えながら、着替えて長男の部屋に行ったんです。
ドアをノックして開けたら、普段は全然勉強しない長男が、勉強しているふりをして、机に向かって何か書いてるんです。それで「あ、ほんと、誰かいるんだ」と思った。
(長男との会話)
志村「今、おばあちゃんから密告があったんだけど、なんかあったみたいじゃない? どなたかいらしてるんだって?」
長男「いいや」
志村「そう? おばあちゃんの情報はたしかだよ。裏の情報だから」
長男「あ、そう」
志村「ここではね、家族というルールがあるじゃない。あなたがよくってお友だちを連れて来ていても、あなたは家族という集団の中の一員なのだから、ほかの家族全員が変だなって思うことは、やっぱりよくないんだよ。一人で暮らしているんだったらOKだけど、7人で暮らしているんだから、これがルール。そういうふうに考えよう、家族のことを」
「あなたが大切な人だと考えて彼女を招いたとするならば、わたしたち家族も大切な人として迎え入れたい。たぶんそのお友だちも後で顔を合わせたときに『この子だったのかあ』なんて思われたくないはずだよ。みんなに歓迎してもらいたいと思うよ。そういう、一緒に暮らすっていうことのマナーというのがあるんじゃない? もしそう思うんだったら、5分間時間をあげるから、彼女と一回外に出て、インターホンを鳴らして入って来なさい」
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