ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第17回 志村季世恵さん

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志村季世恵さん
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子どもの求める愛情表現
- 佐々木
体を傷つけるというのは、最近の現象なんですか?
- 志村
ある学校では、クラスに5人はいるっていうんです。
- 佐々木
クラスに5人というと……いまは1クラス、40人程度のところが多いので、10%以上。そんなにですか。それは都会が多いんですか?
- 志村
わたしのところには都会の子ばかりだからわからない。学校を早退したりして東京都内に住んでいる子が来るんです。
でもね、やめるんですよ、みんな。なぜやめるのかというと、その理由は簡単で、「癒しの森」で、「痛かったねえ」「いつか切らなくてすむようになるわね」と言いながら、きれいに指で薬を塗っていってあげるわけです。
もちろんカウンセリングも大切だけれど、その行為が大事なの。たったそれだけでやらなくなるんです。結局誰かに無条件に受け止めてもらいたいだけの子たちなんだな、と思うんです。
大体そういう子たちには、携帯の番号を教えておいて、メールを交換するんです。「一番最初に季世恵先生にギュッと抱きしめてもらったのが一番うれしかった」というのが必ずメールでくるメッセージなんです。
だから、自分が無条件に親から愛されているというような実感がないんだと思うの。どの時代もそうかも知れないけれど。
- 佐々木
わが子の場合、小さいときから意識して、抱きしめる、なでる、キスする……いろんなことをしてきたけれど、「お母さんはわたしのこと、嫌いなんでしょ?」と時々言うのでとてもショックを受けたんです。「わたしなんか生きていても仕方がないのよ」とか「家出する」「死んでやる」とか言って。
初めは「テレビの見すぎじゃない?」と言ってたんですね。どこでそんなセリフを5歳、6歳の子が身に付けたのかなと思って。やっぱりわたしに原因があるのでしょうか。
- 志村
子どもたちのタイプにもよると思うんです。一日中いっぱい欲しいっていう子と、一日中ではなくて少しでいい、という子もいるんですね。わたしは4人の子どもを育てていて、それぞれ「量よりも質」タイプ、「質よりも量」タイプという子どもがいるんだとわかりました。
この子のこの部分さえわかってあげていれば、この子は安心できているという場合と、仕事を投げ出してでも、この子とずっと一緒にいてあげなきゃいけないという場合もあるんだってね。兄弟の場合、同じふうに育ったはずなのに、求めていることが違っているんですよ。
15/24
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