佐々木さんも15メートルは潜れるようになりますよ

佐々木

初めて潜った時は、どんな感じでした？

高樹

「イルカフリーク」みたいな人がいますけど、最初はわたしもそうだったんです。ハワイ島のある湾に、イルカが休息のために朝早く帰ってくるんです。脳が半分休んでいるので、ものすごくゆっくり泳ぐんです。

それを見て、「この子たちは、わたしのために一緒に泳いでくれてるのよ」って言う人がいる。実はそれは、ただ寝ているだけだったり、好奇心の強い子どものイルカがおもしろがって遊んでいるだけなのに。

でも、わたしも初めのころは楽しくて、「もっとこの子たちと戯れたい」という思いだけでしたよ。そのために長く呼吸を止めて、深く水に入る技術を習得したいと思ったんですから。

佐々木

どうやって習得したんですか？

高樹

今の彼からですね。彼はイルカが現れても、自然に海に深く入って行くんです。わたしは興奮しているから、2メートルぐらいのところで、すでに苦しくなるという状態で。それが、4年くらい前のことですよ。

佐々木

そうなんですか。わたしたちが練習して、潜れるようになるまで、どのくらいかかりますか？

高樹

水泳やトレーニングをやっていれば、3日で深さ15メートル潜れる人もいます。

佐々木

深さがですか？

高樹

はい。スクールでは、とりあえずプールの練習で「25メートルの距離を潜水する」というスキルを与えているんですが、2時間半の間に、8割の方が達成していますし。

それから「サーフェイスダイブ」という、無駄なく水中に入っていく方法があって、それを組み合わせることで深さ5メートルは絶対に潜れます。でも普段運動していない人は、トレーニングが必要でしょうね。

佐々木

なんだか、やる気になってきました。

高樹

女優を20年間やり続けていたわたしが、なぜ、たった1年のトレーニングで53メートルを達成できたかというと、フリーダイビングというのは、筋肉をそれほど必要としないからなんです。もちろん、40メートル級の世界に行きたければ、やはり必要にはなりますけど。それでも年齢は関係ないと思いますよ。アメリカのナンバー2の女性は45歳くらいですけど、65メートルくらい潜ってらっしゃいますから。