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川本裕子さん
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「きっと、らいらいの人になれるわ」
- 佐々木
川本さんは、子どものころ、ご両親からはどんな教育、影響を受けましたか。どんなご両親でしたか?
- 川本
父は事業家でした。よく働き、よく遊びです。ゴルフのハンディは4というスポーツマンで飄々としていました。セスナの免許も持っていました。小学校の運動会に「セスナで見に行く」と笑っていて、本当に、お昼休みごろに小学校の上空を3回ぐらい旋回する、みたいな、型破りな、楽しい父でした。
仕事をするところは見たことがなかったのですが、「仕事は段取りだ」が口癖で、私の『時間管理革命』という本も父が言っていたことを、今風に書き直したようなものです。それから、お友達をたくさん家につれてきて、飲んだり、食べたりするのが日常茶飯事。おいしいお肉を持ってきてくれるお友達がいるのはいいけれど、事前に電話もなかったり。でもそこはよくできたもので、母は家に人がたくさんいるのが好きでした。嫌な顔ひとつせずに、次々とお料理をつくって、お皿をならべていく。楽しかったです。人のたくさん来る、オープンな家でした。
その母が教えてくれたことのもう一つは「あなたは陽気だし、きっと、らいらいの人になれるわ」ということです。「らいらい」って「来る」を二つ書いて「来来」。母の造語かもしれない。一緒にいると楽しくて、人がたくさん集まってくる、という意味です。「来来の人」は、いいことばだと思っています。そうありたいです。
- 佐々木
「来来の人」って、とってもいい響き。素敵ですね。
- 川本
母は運動神経がよく、父とよくゴルフもしていましたが、お料理もとても好きでおやつもみな自分で作ってしまうほどでした。お料理はスピードも大事だと言っていて、手際がよかったのだと思います。熟練するということは、同じことが速くできるということだ、とよく言ってました。
「栄養とかを難しく考えるよりも、お料理は彩りも大事だから、いろいろな色を取り揃えたほうがいいわよ。一色だけになるべくならないように、にんじん色、きゅうりの緑、卵の黄色、とか、色も考えると楽しいし。偏るのはよくない」と言っていたことも思い出します。バランスを大切にすることは、食事のみならず、あらゆることにあてはまると思って生きてきた気がします。
母のおかげか、私は家族の食事はとても大事だと思っています。時間がないときは仕方がないのですが、買ったものを食卓に出すのは、何となく惜しい感じがするのです。「つくるチャンスをのがしちゃったな」という感じ。だから、自分で作ったものを家族が食べるのは本当に嬉しい。
この2〜3年は主人もお料理に凝っていて、一緒にするようになりました。日経の土曜版のうしろのページにレシピがあって、それを見ながらつくったら、とても楽しいらしいです。子供たちの評判は上々で、ご機嫌よく作ってくれます。
- 佐々木
いつも笑顔の川本さんの理由がわかりました。
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