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出井伸之さん
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ジョブディスクリプションを決めない
- 佐々木
人探しや、人育てでは、どうでしょうか。今10人の会社といっても、優秀な方ばかりでいらっしゃるでしょうから、育てるレベルといっても違うかと思いますが、何か工夫されていることはありますか?
- 出井
やはり基本的にはジョブディスクリプションを決めないということですね。大会社の場合は人がたくさんいるから、割と細かく切るじゃない、だけどこの規模の会社って何かをやるために、みんなが助け合わないと絶対にできない。だから大会社の頭でいるとそういうことは想像がつかなくなってしまうでしょうね。
- 佐々木
そうですね。「私の役割ではありません」とか、「前の会社ではこういう係がいました」とか、「こういうシステムがあったのに、なぜこの会社にはないんですか」ってなると、ベンチャーは進んでいきませんから。
- 出井
だから新鮮な経験で毎日が楽しい、みたいな。
- 佐々木
楽しいと言わざるを得ないぐらい苦しい。
- 出井
そりゃそうだよ。だけど、こっちが落ち込んだらしょうがないからさ。
- 佐々木
そうですね。頻繁に「何で佐々木さんは超前向きでいつも元気なんですか?」って聞かれるので自分で考えたんですけど、自分で意識して超前向きって言ったり、行動をしなければ引きずられるぐらいマイナス事項がいっぱいあるからかな、と。だから、リーダーというのは超前向きなんじゃないかなって、最近考えたんですが、いかがでしょう?
- 出井
全くそうですね。
- 佐々木
「私は最近悩みがある」とか、「最近落ち込んでいる」って言える人というのは、大した悩みじゃないのではないかとさえ私は思っているんですけど。つまり、リーダーには言えないくらいいろいろあるでしょう。
- 出井
大きい企業の社長でも小さい企業の社長でも、トップが悩むっていうのは同じなんですよ。だけど小さい会社の悩みというのは、小さいから見えちゃう悩みですね。だから余計嫌だね。大きい会社だと、そこまでは見えないから。
- 佐々木
私もそれは思います。例えば、1日目のアルバイトも社長も同じ部屋で仕事をしていると互いにいろいろ理解できないことが見えてしまったりしますからね。
- 出井
そうそう。この間、僕ね、アメリカで、人の体を見るといろいろなことが分かっちゃうという人に会ったら、そういうような種類のことを言われたんだよね。僕の体を見て「うーん、あなたはもう少し怒りを爆発させた方がいいです」って。体中が怒りを我慢しているって言われて「当たってる」って思いましたよ。
- 佐々木
思いました?
- 出井
つくづく思った。当たってるぞって。そういう意味では、やっぱり小さい会社は怒るに怒れないというかね。デカい会社だと、組織を怒ることになるからね、あまり人は傷つかないんだけど、小さい会社だと、怒っちゃうと、本当は良い結果を導くためのメッセージを伝えたくても、その人に対しての駄目なところを直接言うみたいなことになっちゃて、被害が大きいんだよね、ダメージも。
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