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織作 峰子さん
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撮った瞬間に完成させるんです
- 佐々木
他にはどんな作品が?
- 織作
これは、5月にしか咲かない、ナルシスという、ベル・エポック時代からずっと咲き続いている水仙です。ご覧のように、山一面、真っ白なんです。だから、5月の雪とも言われています。素晴らしいです。本当にここは夢のような場所でした。
- 佐々木
スイスですか?
- 織作
はい、モルジュです。ヘップバーンのお家の近くです。藁を触っている子がいて、「私の馬、見ない?」って言って、行ったら、「これは自分の馬なんだ」って。こういう瞬間が好きです。
- 佐々木
優しい目をしていますね。
- 織作
こういう感じとかは、私、よく撮るんです。相手を侵さない距離感で、気づかれないように撮るんです。
- 佐々木
その人の仕草というか、生活も性格も、すごく、その瞬間に出ているんですよね。
- 織作
静かな時間の流れですね。一方で、この写真は車窓ですね。電車の中で「あっ!」と思った瞬間に押しているのです。
- 佐々木
きれいですね。
- 織作
瞬間的にシャッタースピードを上げないと、ぶれるので。あとこれは、30秒ぐらいの間に、ベンチに座っている人が入れ替わっていったので、面白くて続けて写真を撮りました。この写真では、先ほどのこの人がいなくなったので、この人が座った、とかね。
- 佐々木
もう、私、ダメだ。こういうのを見ていると、すぐ撮りたくなる。
- 織作
本当にお好きなんですね。
- 佐々木
年間に、どのぐらい旅をされたり、枚数を撮ったりされるんですか?
- 織作
今は、海外はすごく少なくなりましたけど、それでも、年5回ぐらいは行っています。
- 佐々木
デジタルになってくると、枚数が、かさんだりしませんか?
- 織作
枚数はあまり撮らないです。一枚一枚、決め撮りするほうなので。それは、たぶん師匠の教えなんでしょうね、フィルムカメラ時代の。
- 佐々木
丁寧に撮るんだ。
- 織作
フィルムカメラ時代に、ピントを合わせながら一枚一枚撮っていったので、あまり数は、人ほど撮らないし、撮った瞬間に完成させるんです。後で触らなくていいように。でも、そんなことを言っていたら、シャッターチャンスを逃しますよね。だから、人物の場合は、まずシャッターを押すことが大事ですよ。後で、選べますからね。
- 佐々木
逃しちゃうと、人の動きは撮れないから。
- 織作
そう。
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