ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第122回 鈴木 淳子さん

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鈴木 淳子さん
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「こんにちは赤ちゃん事業」として
- 佐々木
そうすると、今の世の中がすごく複雑になってきて、いろいろな家もある。おっしゃるように、ただかわいそうだからといって、隔離すればいいわけでもないし。そういう家庭に気がついたらといって、どんどん施設に入れることはできない。
となると、今の日本社会に何があると、子どももよくなるし、大人がそんなふうにならなくて済むんだと思いますか。
- 鈴木
うーん、そりゃまた難しいことを。
- 佐々木
でも何だと思いますか。お話を伺っていると、子どもの立場に立つと言いながらも、言葉の端々から、やっぱり、そもそもお母さんも苦しんでいるからと、話を聞いてあげたり、ねぎらってあげなくてはならないんだよねっていうことが出てくるじゃないですか。お母さんにしわ寄せがきていることも私は問題だと思っているけれど、そもそも児童相談所じゃなくて、もっと他のところでできることがあるかもしれない。何か、社会で改善できないかな、と。
たとえば、いつも審議会や委員会など様々なところで言ってきているのですが、私の考えですが、出産育児一時金やその他の育児に関する給付金を各自治体が月数千円出そうとか聞くと、そんなことより子どもが生まれた家庭に、シルバー人材や保育ママさんなど様々なシステムを活用して、週に1回2時間、お手伝いに行ってあげるというふうにしたらどうだろうと思うんです。お金を配るんじゃなくて、人のサポート。月に1回でもいいから。
自治体が、すべての家庭に対しても強制的に人を送って、家の中に入って、「お母さんどう?」って聞いてあげるとお母さんも息が抜けるし、ある意味で他人が家の中に入るということで家の様子も分かるし、さまざまな予防になるんじゃないかなって思うんです。
人のネットワークができたらお母さんもお父さんも気が休まるし、2、3時間は子どもを任せて、美容院に行ってきてもいいし、映画を見てきてもいいよっていうことになれば、すごくいいだろうなって。現金を配るよりもずっといいだろうと思っています。
それから、極端なことをいえば、母親が仕事をしているかどうかに関係なく、私は、0歳児からすべての子どもが地元の保育園に週に1回午前か午後のどちらか、とか1日とか預かる仕組みにしたらどうかと思っているんです。保育園の1人の枠が、週に6日間で午前午後夕方とか3つに分ければ18人枠にも広がるでしょう。子どもも同年代の友達や、他の大人との関係ができ、親も外とのつながりが持てる。
- 鈴木
佐々木さんのおっしゃっているのは、「こんにちは赤ちゃん事業」として検討されていますね。
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