ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第119回 久保純子さん

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久保純子さん
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そうだ、このために入ったんじゃないか!
- 佐々木
じゃあ、楽しかったでしょうね。
- 久保
楽しかったです。加賀美幸子さんが面接官で初めてお会いできた方だったので、加賀美さんに、いろいろな思いを吐露したときに、返ってくる言葉がとても魅力的で、「あなたなら大丈夫よ」とか「夢をもっと持って」というような、すごく元気づけてくださったんですよね。
それまでの商社や旅行代理店の入社試験は、「いつまでお仕事をされますか?」とか「お父さんは、どういうふうに言っていらっしゃいますか? ご結婚は?」などの質問ばかりで。「えっ? 今から社会に出る私に、何を求めてるんだろう?」って。
- 佐々木
久保さんの年代で、そんなことを言われました?
- 久保
はい! それにすごくがっかりして、イギリスで泣き、高校で泣き、中学で目立たないように必死で耐え、というような生活は何だったんだろう、と。22年間が無になってしまうのではないかという不安感がすごくあったので、そのアナウンサーの試験を受けたときに、「ここだ!」と思って。
- 佐々木
何が一番楽しかったですか?
- 久保
一番楽しかったのは、「おはなしえほん」という教育テレビの番組です。3分間なんですけど、そこで『ハリネズミのくるりん』という絵本を読んだんです。そのときは達成感がありましたね。「これだ!」と思って、「そうだ、子どもが喜ぶ番組を作るため入ったんじゃないか!」という、原点にも帰れました。
それまで、プロジェクトXしかり、紅白しかり、ポップジャムしかり、ニュース番組しかり、いろいろな経験をさせていただいたんですけど、自分の仕事を振り返る余裕がなくて、今、何をやっているんだということを噛みしめる余裕もなくて、ただただ走り続けてきてしまった10年間ぐらいだったのです。
そして、10年目ぐらいに出会った『ハリネズミのくるりん』を、アナウンサーで読ませていただくというのは、まだ、前例がなかったので、すごく嬉しかったんです。それは、もちろん今でもビデオにあり、たまに観ています。
- 佐々木
いいですね。
- 久保
くるりんが、「やっぱり、これだよね」ということを再認識させてくれた、そこから、提案を書いたり、子ども番組の構成の企画を出したり、いろいろしていたんです。でも、なかなかアナウンサーという日常に追われると、現実にはなかなかできなくて。
12/23
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