ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第118回 藤巻健史さん

118 |
藤巻健史さん
|
|
|
ノースウェスタン他2、3校から合格通知が来たんだよね
- 藤巻
留学生コースで苦しかったのは、自分で願書を出さないといけなかったことですね。
10何校か願書を出したんだけど、出してもちっとも合格通知が来ないわけですよ、英語ができなかったから。そして大学の成績が悪かったから、「なぜ悪かったのか」というのを書かなくちゃいけなかったのです。それからTOEFLとGMATを受ける。何校からか合格通知が来たんですが、それは「次のGMATで、英語が下から何%以上になれば合格させる」という返事でね。
それで、2回目を受けたのに、返事が来たら「試験を欠席した」になっているわけですよ。冗談じゃない、僕は受けたはずだ!! あれは三井信託のニューヨーク支社の人に手伝ってもらったりして試験の本部に調査依頼をしてもらったりして。会社にすごい迷惑をかけたんだけど、確かに受けていることがわかり、成績も最低限レベルだったけど11校受けたうち、ノースウェスタン他2、3校から合格通知が来たんだよね。
それでラッキーだと思ったのは、ノースウェスタンって僕らが入ったときって全米で7位だったのね。でも、卒業してから、ハーバードとかスタンフォードを抜いて、ランキングで1位の学校になっちゃったんです。今は2、3番に落ちているかもしれないけど。卒業してランキングが上がったにすぎないけど、今ノースウェスタン大のケロッグスクール卒ですと言うと、皆「すごーい」と言うわけ。僕が入学したときには、たいしたことない学校だったのに、すごいラッキーだったわけ。
何はともあれ、ノースウェスタンともう2、3校ぐらいしか受からなかったんですよ。会社から海外留学の辞令が出ているのにどこにも行けなかったから、クビっていうか、辞めざるを得ないって思っていたし。辞めたら食っていけるのかなって思いましたよね。だから苦しかった。
- 佐々木
そうか。1年間会社のお金で勉強して、入学準備したのに、もしどこにも合格しなかったら、留学の事例も出せないし、退職、という選択肢しかないということだったんですね。じゃあ、すごくよかった。
- 藤巻
そう。それは何はともあれ、ノースウェスタンでも、どこでも、1校でも合格できて。ところで応募したときの養成募集要項は、「中堅行員を養成するため」。ところが留学している間に募集要項が「外国部要員、証券部要員」に変わってしまっていて、これはヤバいなって思ったの。
ひょっとすると、卒業後、外国要員になっちゃうのかな、国際部に入っちゃうのかなって怖かったの。ところで当時は、シンジケートローンという仕事が花形だったんです。僕も留学したし、当然行けると思ったのに、ディーリングルームに配属になっちゃったんです。
ディーリングって今は華々しいイメージがあるかもしれないけど、当時は本当に誰も見向きもしない部署で、「何だ!」という感じだったんですね。お恥ずかしいことに天狗になっちゃってたから。低い鼻をへし折られちゃったんですよ。今もへし折られることはあるんだけどさ。当時も、へし折られちゃって。ディーリングルームに入って。でも、結果としてはディーラーになったことが良かったんですね。人間すべて「塞翁が馬」。
- 佐々木
ディーリングルームに入ったということが、結局競争力がついて、転職もできるような、業界の横断的な力がついたというか。
- 藤巻
ディーリングって、「理屈+五感」で経済を感じなくちゃいけないから、日本のマーケットに関しては、日本人は絶対に強いんですよ。日本のマーケットでは、外国人に、僕は絶対に負けないと思ってる。
シンジケートローンを専門として外資に入ったって、アメリカ人とかに比べればいろいろなハンディがあって、負けちゃうって思うんです。だけどディーラーはそういうハンディキャップはないですから。
10/21
|
 |

|
|