ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第117回 岩切茂さん

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建築家・株式会社TEAM IWAKIRI JAPAN代表取締役
岩切茂さん
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家族みたいな会社にしたい
- 佐々木
起業というか、会社の話に戻りますけど、今、スタッフ30人は、ほとんどがイタリア人だったりするわけですよね? イタリアの人達とのマネジメントは、日本人とは違いますか? 起業されたのは2002年だから、起業してから5〜6年ですか。振り返って、どうでしょう。
- 岩切
距離感でいうと、日本より、よっぽどやりやすい。それは、まず最初に、すごく単純な発想なんだけど、どうせ、そんなに馬鹿でかい会社になるわけがないから、家族みたいな会社にしたいっていうのがあってね。皆で仲良くしたい。
で、僕らのこういう職業って、これは難しい話なんだけど、好きな人は徹底的に、時間もなく、やるわけよね。たとえば、9〜5時で自分の能力を売り切りながら、「はい、さようなら」ってなっちゃうと、ものを作るという意味での共有化みたいなものが、すごく希薄になっていく。
だから「好きなことを一生懸命にやろう」。で、「どのぐらい好きかという度合いが同じぐらいだったら、皆、一緒にいられるよね」という発想なんだよね。
だから、あえて求人とか、かけられないんですよ。それから、正社員になるまでに少し時間をおいて、本当に皆が同じ価値観の中でできると言われないと、やっぱりなれないという話。
- 佐々木
イタリアでは、正社員とか契約社員とか、どんなふうに分かれているんですか?
- 岩切
いくつもあって。最初は、まずは契約ですね。それで、やっていけるようであれば、すべて受け入れる、という感じになるかもしれないですね。
ただ、職業的に、建築家っていうのは、プロフェッショナルですから、向こうが望まない場合もあるんですよ。契約でずっと行きたい、という。だから、そういうのは臨機応変にやっているんです。
でも、どんな働き方でも、処遇とか待遇なんかは一緒にしましょうっていう考えなので、僕は、そういう意味では、家族というか、皆の話をできるだけ聞いています。ただ言いたいことは言うよ、だからお前達も言えよ、という環境の中で、ズケズケ言ってくるから、それはものすごくいい。
それと僕がこういう性格なので、これは留学のときから感じているんだけど、コミュニケーションのとり方がすごく近いのよね、イタリア人は。もう、このぐらいでしゃべるわけ。たぶん、コミュニケーションのとり方においては、日本やアメリカだったら、セクシャルハラスメントで訴えられちゃうような距離感なんだよね。
- 佐々木
実際にすごく寄って話す?
- 岩切
だって、スタッフとしゃべってたって、こうやって手を組んで、並んでしゃべってたりとかが多いわけですよ。
- 佐々木
それは、イタリアがそういうカルチャーなんですか。岩切さんのスタイル、じゃなくて?
- 岩切
わりと普通に皆そうだよね。僕も、ちょっと特殊キャラというのもあるんだけど。だって、知ってます? イタリア人の女性の服装とか。
- 佐々木
知りません。
- 岩切
完全に逆セクハラですからね、夏なんて。「お願いだからパンツが見えないスカートを履いてきてくれ」という感じ。「私はきれい」って思っているとか、思っていないとか、デブちゃんとか、痩せちゃんとか、関係なく。だから、その大らかさというのは、すごくやりやすいかな。
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