ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第112回 渡邉 美樹さん

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渡邉 美樹さん
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「明日、自分は死ぬ」と思ったりとか
- 佐々木
でも、どういうふうに受け止めるんですか? それは、何もできない……。
- 渡邉
受け止められないよね。その後、実際には赤紙は貼られなかったんだけど、清算っていう状態に入ったので、経済的には全然違う状態になって、家も出て行かなきゃいけないということになっていたし。周りが慌しく動いていて、自分だけが取り残されている感じで、もう、何も考えていなかったね。
- 佐々木
その頃に、「くやしい。社長になろう」と思われたっていう事ですか?
- 渡邉
そのときは思っていない。そのときは、それどころじゃないよ。野球選手になるんだと思っていて、テレビで野球が観られなくなって、「長嶋はどうすんだ?」みたいなことしか考えてなかったからね。
- 佐々木
じゃ、お父さんに言われてから、中学1年に引っ越すまでの1〜2年ぐらいは、そこのお家にずっと住んでいたんですか? 何となく、「会社っていうのは、潰れるのか」っていう事から、「社長っていうのは、永遠に社長じゃないのか」っていうような現実にふれることになったんですね。
- 渡邉
1年半もいなかったね。1年弱そこにいて。……だから僕は、小学校5年の秋から半年ぐらいは精神的におかしかったね、もう完全に。
- 佐々木
どういうふうに?
- 渡邉
「明日、自分は死ぬ」と思ったりとか、とにかく夜眠れない。学校にも行きたくない。今まで、すごく明るい、ガキ大将の象徴みたいだった子が、人生の全ての暗さを背負っていたと思うね、あのとき。だから、今でもよく覚えているのは、胸が苦しくなって、いつも「死ぬ」と思っているわけ。「僕は、もうすぐ死んじゃうんだな」って毎日のように思っていたのね。今思うと、完全な精神病なんだよね。これは分析すれば簡単に分かるんだけど。
- 佐々木
それは、何で治ったんですか?
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