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長坂将志さん
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もう1回作り直すから
- 長坂
まあ、そうですね。うちはまだ文化というか歴史がないので、ぼくは意外と、キッチンサイドで料理を見ていることが多いんですけれどね。いまだにうちのメニューの中でも、最後の仕上げでぼくじゃないと絶対やらない、っていう仕事が結構あるんです。たとえばキャビアの量だとかも然り。それって、やっぱりキッチンにいる人たちも感覚的に分からないところがある。
- 佐々木
感覚? それは、今のお客様の満腹感とか、要求だったり、ですか?
- 長坂
満腹感もそうだし……そう、そうですね。この方にいいキャビアをちょこっと出しても喜ばないよ、とか。
- 佐々木
ああ、そうか(笑)。
- 長坂
そういうエッセンスだったりとかですね。すごく繊細なものは、ぼくが最後しっかり味見をしたりとか、素材の食感とかも含めて、OKなのかOKじゃないのかっていうのを最終確認をして、盛り付けます。
- 佐々木
OKじゃないときは、どうするんですか。
- 長坂
作りなおします。
- 佐々木
全部作りなおすんですか。
- 長坂
はい。それで、表の人たちに、「ちょっとお客さんのところに一人で行って来い」とか「ワインのトークして来い」とか。もう1回作り直すから、あと3分くれって、そういうことはありますね。
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