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西 樹さん
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コミュニケーションする、という仕事
今振り返ってみると、若いころはパブリシティというのはメディアに働きかけて載せればいいやみたいなところ、体力勝負みたいなところを感じていたんです。
でも、そもそもPRは、広告みたいないわゆる物量作戦で、無理矢理世の中とコミュニケートしていくんじゃなくて、もっと知恵を使って世の中の人たちと、どうコミュニケートしていくかっていうことをコンサルしたり、考えたり、実行したりするのが本来の目的のだと、今は考えています。
PRが盛んなアメリカには、いろいろな人たちがいるので、必要性もあって生まれてきて、それだけ日本よりも進んでいると。そういうことって今の時代にすごく当てはまっていて、今はそのPRという仕事に携わっていることには、コミュニケーションのプロフェッショナルでありたいということが念頭にあると思うんですね。
どんな商品でもサービスでも、それらが世の中とコミュニケーションを図れないと話題にもならないし、買ってももらえないし、売り上げにもならない。僕らは、商品やサービスがどういうふうに世の中とコミュニケートできるようになるかということを、それぞれの課題の中で考えていくことに喜びがあるんですね。
それをコミュニケーションする過程で、当然クリエイティブがあったり、イベントがあったりいろんな手法があると思うんですけど、その中のパブリシティっていうのは重要な核で、このことを先に僕らは頭に入れながらプランニングできる強みがあると思うんですよね。何か考えてからパブリシティをどうすると考えないで、先にパブリシティを考えて企画しちゃうっていうところがある。
そういう意味ではコミュニケーションの手法、PRという言葉をもう少し拡大解釈すると、コミュニケーションするという仕事に関してはですね、自分の主旨には合っていたかなと思いますね。
- 佐々木
なるほどね。3年それで働いて、起業した。一種の転職だし、キャリア・ディベロップメントでもある。でも同じ業界で続けてきたということは心がかなり決まってたんですね。
- 西
大枠はそうですね。決めてしまうわけじゃないんだけど、この範囲の中で自分が何をやっていけるかっていうことを考えていこうと。その時にコミュニケーションというカテゴリーはあって、もう少し戦術的に見ると広告っていう分野には近いんですけど、広告の世界は僕は関係ないなという思いがずっとあるんですね。
それに広告もビッグビジネスですから、それなりのプロの方がいっぱいいらっしゃる。たとえば新聞の紙面とか、テレビの時間とか、お金を出して買ってしまえば、必ずその日その時間に露出があるわけで、一種の不動産業に近いですよね。埋めていくという考え方でいくと。
それはそれでダイナミズムを感じつつも、わたしはそういう手法ではないんです。日本の場合、広告があまりに大きなビジネスなので、広告とその他に分かれるみたいなところがあるんですけど、僕はどちらかといえば、その他の中にいようというのは一貫している。カテゴリーをそれなりに今まで決めてキープしてきたっていうのはありましたよね。
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