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平田 オリザさん
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1対1で付き合うっていうことでしょう
- 佐々木
演出家として、今ずっとお話を伺っていたんですけど、もう一つの役割に、俳優に演技させるというか、俳優を育てるという、それこそリーダーとして役割があります。時にはオーディションで人を落とさねばならないという判断だったり、俳優ですから、必ずしも同じタイプの人ばっかりがいいわけじゃなくて、人を育てようと思っても簡単ではないだろうと。
- 平田
教育も同じだと思うんですけど、やっぱり1対1で付き合うっていうことでしょうね。皆違うので、1対1で付き合う。ただ、付き合える範囲が決まっていますから、だからうちは劇団も定員があるんですけど、本当に付き合える範囲は限られます。
教員も同じで、本当に1対1で付き合える範囲にしてもらわないと。前の大学を辞めたのも、それが理由なんです。学科の人気が出ちゃって、どんどん学長が学生を増やしちゃうので、それはもう全然できません、って言って断ったんです。自分がきちんと何かをするにしても、1対1でちゃんと理由が説明できるっていうことが大事だと思っているんです。
- 佐々木
それは先程の、部下に話しやすい環境を作るとか?
- 平田
管理職養成講座とかでワークショップをやると、「今の新入社員は何を考えているのか分からない」とか「意見を言わない」って参加者が言うんですけど、それは大抵の場合、意見の言いにくい環境になっている。しかも大事なことは、今の若い人達に限らずですけれども、一人一人、意見の言いやすい場が違うんですね。
意見を言いやすくするっていうだけだったら、マニュアルでできるんだけれども、そうじゃなくて、その人一人一人が意見を言いやすい場は違うんだっていう認識がないと、うまく物事は進まなくて。だから、いい企業ほど、いろんなミーティングを用意していますよね。
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