ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第10回 藤田正美さん

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藤田正美さん
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かわいがられるタイプ
- 佐々木
同僚の記者の方も、何人もいらっしゃったわけですよね。その中で藤田さんはどんな記者だったんですか?
- 藤田
それは僕に聞いてもわかんないけど……、マメな記者じゃありませんでしたね(笑)。つまり、細かい記事でも何でもマメに書くとか、そういうんじゃなくて、自分がおもしろいと思ったことだけ書くという、会社にしてみれば非常にわがままな記者、かな。でも書けばまあそれなりにおもしろいみたいなね。自分でそう思ってるだけですけど。
- 佐々木
いい記事が書けるとか、文章力があるとか、そういうことよりも、結局は自分がいろんなことに興味を持っていること、人なつっこくて、かわいがってもらえるタイプであること、というのも、取材をする上では大切なんでしょうね。
- 藤田
かわいがってくれた人はいっぱいいましたよね。日本郵船という会社からはずいぶんかわいがってもらった。それこそ「君、結婚してる?」なんて言われたりして(笑)。
- 佐々木
「うちの娘どう?」とか(笑)。
- 藤田
というより、「うちの秘書課にいい子いるんだけどさ」という感じ。
人なつこいかどうかじゃなくて、やっぱり人の話をよく聞いて、それを理解するかどうか。インタビューされる側で、こっちが話しても話しても、「お前わかってんのか?!」って言いたくなるケースってあるじゃない。
- 佐々木
「帰ってください」って言いたくなることありますよね(笑)。
- 藤田
「そんな質問してるからダメなんだよ」って言ったことあるけど(笑)。某新聞の記者にね。
要するに話していることに賛成するかしないかじゃなくて、話してることがわかるかどうか。あるいは、わかろうと努力するかどうか。わかった上で次の質問を切り返してくるやつは、「あ、これはすごいな」と思うんですよ。
僕が今、僕をかわいがってくれた人の年代になって思うんだけど、たとえば、25、26歳の駆け出しの記者と話しても、その努力があるやつだったら、「あ、こいつは見どころあるね」となる。だから、僕のところに来たらいろいろ教えてやろうと思うんだけど、駆け出しの小僧でわかったふりして来るやつには、「お前帰れ」って言いたくなっちゃう(笑)。そういうことだと思うな。
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