効果的なフィードバックをすることが、あたたかいコミュニケーションを生みます。「フィードバックの方法」では、石井浩子さんを講師にお迎えし、効果的なフィードバックの方法をじっくり考えました。
講座のはじめでは、フィードバックの大まかな意味やその大切さは分かるが、言葉の選び方やタイミングの取り方には自信が無いといった声が多く見受けられましたが、講座の終了後みなさんはどのように自信をつけていったのでしょう?
■いつものフィードバック、本当に受けとめてもらってますか?
みなさんからは、効果的なフィードバックとして「状態を承認・肯定してもらった時」、失敗したフィードバックとして「自分の立場しか考えなかった時」などの発言がありました。ホワイトボードが受講者のみなさんの経験で埋まるにつれ、「相手によってフィードバックの内容が左右されないか」といった疑問が投げかけられるなど、より深く掘り下げた話し合いに発展していきました。
石井さんは「ネガティブなフィードバックはできるだけ避けて、良いところを指摘するプラスのフィードバックがポイント。気持ちが前向きになるので、ずっと効果的です」とおっしゃいました。そして、相手からほめられたら素直に受け取ることができるようになってほしいと付け加えられました。
■実践して改めて分かった「効果的なフィードバック」
まず、発表者が何か物になりきります。なりきった物に自分自身をシンクロさせたプリゼンを行い、それについて聞き手がフィードバックを行いました。
みなさんは、「私は口紅です。持ち主を美しくするのが役目です。云々」というように、メガネや電子辞書など普段使っている物になりきって堂々とプリゼンしていました。それに対する他のみなさんのフィードバックは、表現こそ違いましたが、「プラスのフィードバック」でした。それぞれが自分の気づかなかった長所を指摘され、照れくさそうで、受講者のみなさんは次第に自信に満ちた表情にり、プラスのフィードバックがいかに効果的かを裏付けた実践になりました。
■理想は「究極のフィードバック」
最後に今回の感想を述べあいました。「話を聞いてもらってほめてもらうことの気持ちよさを実感した」「気分が楽になった」など、前回よりもポジティブな感想が増え、この講座シリーズの効果が着々と現れてきているようでした。
石井さんは、効果的なフィードバックのポイントとして2つあげられました。
一つは、相手の話を「よく聞く」ということ。もう一つは、良いところをみつけ、言葉を選びながら相手を「ほめてあげる」ということ。
「ある条件を満たしたことをほめ合うのではなく、シンプルに『あなたは素敵ですよ』と無条件でフィードバックしあうことができたら、それが『究極のフィードバック』なのでしょうね」。これが今回の講座の石井さんの締めくくりとなりました。