企業からの独立を考えている方、企業で働きながら「起業家精神」を身につけたいと思われている方を対象した講座『会社員から社長への成功への転換』。
講師に株式会社ハッピー・コム代表取締役の戸田江里子さんをお迎えし、ご自身の経験を交えながら、会社から独立し起業に至るまでの具体的なポイントをご指導いただきました。
この講座は全6回のSOHO・起業コースの第1回講座でもあります。
■会社で実績を上げた人は、独立して成功する
講座は、戸田さんご自身の会社員生活から起業に至るまでの話から始まりました。
戸田さんは、ある出版社にて10年以上ゼネラリストとして勤務した経験をお持ちです。課長職時代にひとつのプロジェクトを企画・実行することの面白さに目覚め、自分で会社をマネジメントしてみたい、独立したいという気持ちが、自然と生まれたとのことでした。
ご自身の歩みを振り返って実感されたのは、「会社で実績を上げた人は、独立して成功する」ということ。会社では他の社員のサポートがあり、会社の実績のおかげで仕事が入る。しかし、その支えが無くなった時は自力ですべて考えなければならず、失敗も自分の力で克服しなくてはならない。会社で実績を上げた人ならば、部下のモチベーションをあげることやクライアントの開拓に長けているはずなので、そのような状況を乗り切る、つまり独立に成功できる可能性に恵まれているとのことです。
■自分のビジネスプランの優位性、プレゼンできますか
起業するにあたり準備することとして、戸田さんが最も強調されたのは、自分のやろうとしているビジネスが、本当に顧客に求められているのかを考えるべきだということ。顧客の声や他人の忠告を素直に受け入れる柔軟性も不可欠で、戸田さんは今でも、自分で作成した事業計画書のアドバイスを第三者から受けているそうです。「自分が考えるビジネスのどこが、他社より優れているのかプレゼンできなければ、経営者として失格だと思う」と言い切っていらっしゃいました。
また、社外で経営者に意見をきいたり、経営者を目指す人が集うセミナーに参加して、情報収集や人脈を広げることはかなり効果的であり、ご自身もかつて事業計画の作成勉強会でさまざまな経営者の方々と交流を深め、モチベーションを高められたそうです。
■現場に潜むワナにはまるな
経営の実践現場で陥りやすい落とし穴も講義されました。
ITの普及が私たちの独立志向に拍車をかけている昨今。戸田さんもITをフル活用されているそうですが、その利便性から同業他社が多いうえに、ネットだけでつながっている人の人物像を把握できないというリスクを頭に入れておいてほしいとのことでした。
また、ビジネスパートナーをきちんと見極めることも大切。形に残る契約の締結を心がけた方が良いというアドバイスがありました。
■これだけは最小限覚えていてほしい
在職している会社を独立前にに退職する時の注意としては、会社時代の顧客は独立後の顧客にはなり得ないこと、そして、円満退社で会社とのしこりを残さないことをあげられました。
また、起業後のクレーム処理は社長が率先せざるを得ない仕事。トラブルがあった顧客とはその後の関係は抜きにして誠意を持って謝り、最善を尽くすことが大切とのことでした。
穏和な語り口ながら、かなり手厳しいアドバイスや意見を話してくださった戸田さんからは、シビアな現場で成功された経営者の自信が伝わってきました。今回の講座は、既に起業されフィードバックとして受講された方にも、これから起業しようという方にとっても、かけがえのない時間になったはずです。
■成功へのカウントダウンはもう始まっている
講座終了後は、受講者のみなさんがこぞって起業について相談をもちかけ、戸田さんは親身になってアドバイス、励ましの言葉をかけておられました。
今回受講されたみなさんは、戸田さんの話でビジョンの実現をさらに具体化されるに違いありません。