小説家で翻訳家、ewomanサーベイのキャスターとしてもおなじみの松本侑子さんによるセミナーが開講されました。『赤毛のアン』を原文で読むことで、英語の文法と読みこなし方を楽しみながら学んでいく講座です。
■最終回〜ハッピーエンド
最終回の講義では、テキストも最終章、マシューのお墓を参ったアンが帰り道、美しい光景に魅せられながらギルバートと出会い、仲直りをする感動的なシーンがとりあげられました。
毎回10分ほど休憩に、松本さんご持参のお菓子と、紅茶をいただきながら、歓談していたのですが、今回は参加者の方から手作りクッキーの差し入れ。また、紙で出来たグリーン・ゲイブルズのおもちゃを持参された方もいらっしゃり、その「人形の家」の調度品に松本さんが解説をつけてくださる一幕も。
最後に、松本さんご自身が撮影された「モンゴメリの人生行路」写真の上映をしながら、モンゴメリの一生とアンとの関係の解説がありました。
参加いただいたみなさんは、美しい朗読や奥深い解説を喜んでいただけたようで、満足度の高い講座となりました。
■第3回〜アーサー王伝説とアン
夏らしいお着物を涼しげにお召しになっていらした松本さん。講義3回目のテキストは、アーサー王伝説をもとにしたテニスンの詩から、アンが「ランスロットとエレーンごっこ」をしていて船が浸水、騎士ならぬギルバートに助けられる有名なシーン。
伝説を下敷きにした詩をアンたちが演じるという二重三重の引用が、アンの物語上での様々な伏線になっていることを解説しながらの、興味深い英文解釈となりました。
■第2回〜100年前のカナダへの旅
今回、読み進めたのは、アンがダイアナを家に招いてお茶会を開いたエピソードです。お客様へのもののすすめ方や、それに対する受け答えなどの英語表現は、そのまま使える実用的なものでした。
今回の講義の魅力のひとつは、アンをめぐる生活についての細やかなお話。100年前のカナダの、ガスも水道も電気もない、今の私たちの生活とは大きく異なる暮らしぶりが、松本さんの講義から生き生きとよみがえります。
小説に登場する道具や家具の名前、食べ物や飲み物など、何気ないものが表現している背景や豊かな人間関係への言及をお聴きしているうちに、2時間があっという間に過ぎた、2回目の講義でした。
■第1回〜『アン』をめぐる世界の広さ
松本さんのきれいで感情豊かな朗読が『アン』の雰囲気を十二分に描き出します。原文のちょっとした言い回しに潜んださまざまな文学からの引用や、『アン』の背景となっている生活や文化などの多彩な側面もこと細かに解説され、講座の第1回目は、『アン』の世界の広さ、奥深さとともに、松本さんの研究の広さ、奥深さをもかいま見ることのできた魅力的なものとなりました。
英語としては「最初なのでやさしくしました」ということで、宿題も出された第2回以降、より味わい深い講座になっていく期待が高まります。
■参加された方々
日本語ではシリーズを全部読破されている方、『赤毛のアン』の長年のファンである方が多く参加されています。中には母親といっしょに来られた11歳の女の子、大学で松本さんの講義を受けられている学生さんも。みなさん、『アン』の世界が好きなだけでなく、それをとおして英語を学びたい、という気持ちにあふれた方々でした。
ewomanユニバーシティ 第2期担当講座
『赤毛のアン』の英語セミナー2
関連情報
松本侑子ホームページ