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私の視点

「逃げるな、竹中さん」

藤田正美(ふじた・まさよし)
『ニューズウィーク日本版』編集主幹

2002年10月26日

竹中金融担当大臣が四面楚歌といった状況になっています。要するにメガバンク(超・巨大銀行)4行も含めて、不良債権処理を加速しようとし、公的資金の注入も辞さず、国有化も辞さずという姿勢を示したために、銀行から猛反発を食っているのです。

わが『ニューズウィーク日本版』に掲載された竹中大臣のインタビュー記事で語った「大きすぎてつぶせないとは思わない」という部分について、国会で竹中さんに質問が集中しました。この発言が株価の下落を引き起こしたとして大臣の責任を追及されたのですが、竹中大臣はその言葉は「誤訳」であり、出版社に抗議していると答弁しました。

“too big to fail”

このインタビューは英語で行われたもので、「大きすぎてつぶせない」という部分は、“too big to fail”という言葉でした。これは世間一般で、巨大企業をつぶすと影響が大きすぎるから何とか支えてしまうという話です。そういった例はあります。昔のことですが、山一證券に対して日銀から特別融資が実行されたこともありました。またアメリカでも自動車のビッグ3であるクライスラーを無理やり支えたことがあります。

しかし金融改革において、不良債権処理は至上命題であり、その過程でもし巨大銀行に問題が生じれば、政府はそこにも介入していく。介入しないで支えるのはモラルハザードを引き起こすというのが、竹中大臣がインタビューに答えたことです。この発言は当然のように、株価の下落につながりました。つまりメガバンクが不良債権処理を進めれば、流通、建設などの業種で大型倒産が続出すると思われるからです。

ただそれでも竹中大臣の語ったことは「正論」なのです。4年目に入ったデフレのひとつの要因が、銀行が支えている不振企業にあることは誰の目にも明らかなはず。銀行も血を流さなければならないけど、こうした企業を支えるのではなく、処理して再生すべきものは再生するという方策を取らなければならないのです。もちろん経済的には少なくとも一時的に悪影響が出ますから、そのショックを緩和する方策も必要でしょう。それがセーフティネットということです。

選挙がない「政治家」だからこそ

ところが竹中大臣は、インタビュー記事を「誤訳」として逃げているように見えます。竹中大臣は前任の柳沢金融相の更迭を受けて金融担当になりました。もともと銀行に対する公的資金の注入に積極的な竹中大臣の就任で、銀行に対しては相当ドラスチックな金融再建策が出ると予想されていました。海外から見れば、なぜ日本の金融がこうも立ち直らないのか不思議な現象なのです。だから今回の竹中発言は海外(とくにアメリカ)からはエールが送られているのです。

竹中さんは政治家ではなく学者です。本来、こうしたむずかしい問題を解決する役割は、国民から選ばれた政治家があたらねばなりません。たとえ苦くても良薬を飲むように説得するのは政治家の仕事です。学者の場合、自分の言動によって事態が動くわけではないから自由な発言ができるところに特質があります。しかし竹中さんは今は政治家です。ただ、しがらみがつきまとう選挙がない政治家だからこそ思いきった改革も可能と思った人も多かったはずです(僕もその一人です)。

その竹中さんが自分の発言を「誤訳」といって逃げてしまうような発言をされたことに、ちょっとがっかりしています。逃げない、説明責任を果たす、これが日本の政治家に求められています。竹中さんが民間人でありながら、そういった日本の政治家に求められる資質を実践してほしい。僕はまだそう思っています。




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