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患者の声だけでも格付けはできる 2001年12月22日
まずはデータベースから
格付けと言うとたくさんの異論があるでしょう。評価基準にも問題があるでしょうし。だったら、詳しいデータベースを作るところから始められないでしょうか。
子育て中の方からのメール投稿が多くありましたが、私たち、正直言って、近所に何軒の小児科があるかも知らないのです。もちろんその医師の年令も、レントゲンの設備があるかも、薬は院内処方なのか院外なのかも。そういう市井の情報をまとめたデータベースができないでしょうか。アクセスの仕方、診療時間、診療時間外の対応、対応できる検査・所要日数、セカンドオピニオンの実施例、看護婦の人数、混み状況(日々、更新もできるようにしなければなりませんが)医師のプロフィール。
利用者側から本当に教えてほしい情報はたくさんあります。評価という曖昧で作為の入る余地の無い項目であったら、医療機関側も受け入れやすいかもしれません。この度の規制緩和で医療機関の広告活動の規制が緩やかになりました。医療機関が広告の一種と考えてくれれば、協力してくれるかもしれません。が、それぞれの設備的な差異などが歴然としてしまうため、彼らには脅威でもあるでしょう。でも、みなさんもおっしゃるように、単に設備のみが贅沢な病院が良いわけではありません。院長の診療方針、それぞれの医師、看護婦さんなどのコメントなども載せる余地があるとよいでしょう。また、きちんとしたデータにするには、よくあるグルメ情報みたいに協力してくれたレストランのデータのみで構成されているというのでは公平ではありません。協力してくれないところには第三者調査によるというコメント付きで、情報を整備させる必要もあるかもしれません(脅迫みたいですが)。
こういうデータベースができることにより、医療機関にとっても、仲間の努力がわかります。その不備も。それぞれが努力すべき方向性が明確になることにより、大きく前進できるはずです。ただ、さまざまな具体的方法論がどこまでうまくできるかが実現のキーだと思います。(匿名)
いい形の競争は発展を生む
大賛成です。まずは患者の声からというのはいい考えです。専門技術は評価が難しいですが、患者自身の野生のカンみたいなものは大変重要だと思います。それに人間ですから相性もあります。
わたしは、大阪で歯科医院を開業しています。10年前より、歯のクリーニングというのをメニューに入れています。緊急でいくから、有無を言わさずにやられてしまいます。選択の余地はほとんどありません。
平常時に心の余裕もあるときに歯の掃除にいくと、基本的に痛みはありません、悪いところがあれば痛みます。医院の雰囲気、スタッフやドクターの対応も見ることができ、なおかつ予防にもなります。
いくらやっても、悪いことではないので、何軒でも通って選ぶことのリスクとして歯が悪くなることはないです。
医者の場合にも、検診や人間ドックに行って、試す、評価するというのがいいと思います。まず、安心して相談できるところの、目安としての評価は必要だと思います。医師会や行政に頼んでも無理だと思います。利用者である患者の側からの生の意見が反映された物がいいと思います。マスコミなどの影響力のある方がたくさん賛同されてすすんで行くものと思います。
医者側も、レベルの低い一部の医者や病院に迷惑をしているのも事実です。いい形の競争は発展を生みます。今後楽しみです。がんばってください、お手伝いできることはやります。(歯学博士大原盛勝)
ユーザーの評価が必要
私は現在、札幌の病院で外来の看護婦をしています。先生の意見に大賛成です。病院が努力しても周りの評価が必要です。良くも悪くも、利用される方、サービスを受ける方がどのように感じたかが問題です。これまで病院はあまりに密室でした。医療費が高くなり権利を主張することもそうですが、社会が声を出し病院を変え、かかりやすい安心できる医療を受けられる場を求める動きが必要です。辛酸をなめることも必要です。大いに結構です。わたしは、そのような評価に耐えられる病院でありたいと思っています。(匿名)
1日も早い実現を望む
病院の格付けが「顧客満足度調査」の延長にあるものとして捉えて、「顧客たる患者が審査する」形で運営していく、というのも一つのやり方だと思います。
残念ながら実際の医療現場では、患者やその家族にとって納得がいかない治療や看護がなされていることも多いのが事実。その悪しき状況を繰り返させないような抑止力のある機関になれば素晴らしいことではないですか!
「ろくに症状も聞かないうちに注射をうたれた」「精神的にセンシティブになっている患者に医師が心無い言葉を浴びせた」「入院中に院内感染でMRSAにかかり、その治療にまた時間がかかった」という事例は珍しくありません。
これらの問題は医療の根本的モラル欠如、まさにバッドサービス。そしてそれぞれインフォームドコンセント、メンタルケア、インフェクションコントロールの問題です。先進医療が進んでいく反面、こうした基本的なケアの問題が改善されない社会というのはおかしいし、それが公立の病院なのであれば、納税者としてクレームしていくべきです。
もちろん、グッドサービスも積極的に紹介して、より多くの医療機関で良いサービスが提供されるようなブームが起きることを期待したいです。また、予防医学や代替医療について、適切なサービスを提供している機関を紹介できると患者にとって便利かもしれません。
盛り沢山かもしれませんが、患者の側にも正しい知識とマナーを啓蒙していくことも同時にできたらいいのではないでしょうか。総合病院を老人の社交場と勘違いしている元気な高齢者。担当医と看護婦さんにお金を包むのが常識だと思っている入院患者。こうした誤った感覚が正当な医療サービスの提供の支障につながるわけですから。
より良い医療サービス実現のために「病院格付け」の1日も早い実現化を望みます。(長田有喜)
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