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第4回 カオリ・ナラ・ターナーさん
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チャージですよ! チャージ! |
進藤 |
それはこれまでの経験上、感じられることですか。 |
カオリ |
昔お世話した人で社長になった人を見ると、やっぱりあの子違ったよなぁって。言わなくても先に掃除してたり。あなたの場合、自分を掘って掘って掘りすぎてわかんなくなっちゃうタイプじゃないかしら。 |
進藤 |
あら、またそこに戻りますか(笑)。でもたしかに、そういうところあるかも。 |
カオリ |
掘る必要ないですよ。 |
進藤 |
考えすぎてもしょうがないですものね。 |
カオリ |
そうですよ。考えたって、人間ひとりの考えには限界あるでしょう。 自分が一番ウケたときとか、自分が一番楽しかったことを思うことのほうが大事。たとえば、今度同じアナウンスをするにしても、こういうタイプのアナウンスをやってみようとか、いっぱいあるじゃない。いろんな人を見て、自分にないものをキャッチしておく。 |
進藤 |
引出しいっぱい持って、今度これ試してみようとか。 |
カオリ |
そうそう。見た人が楽しくなるような笑い、人をプラスにさせるような笑いを身につけるとか。あなたたちもよくやってると思うけど、収録前に顔をマッサージしとかないと笑顔が素直じゃない。 |
進藤 |
固まっちゃう。 |
カオリ |
顔をやわらかくしていけば、画面に出ますからね。あなたの性質って。 |
進藤 |
人間性が出ちゃう。おおコワ(笑)。 |
カオリ |
目で一生懸命あなたがひとつのことを伝えたいと思って、しゃべってると、目も真剣になるし、「そうですよね」ってあなたが心から思ったら、相手も「うん」となるんですよね。それを、紙見て、「ああですね、こうですね、雨降って大変ですね」じゃなくて。 |
進藤 |
それが「伝える」「表現する」ということなんでしょうね。 |
カオリ |
そう。だから、もしまたあなたが同じお仕事に戻る場合は、前と違うあなたになろうと努力して。テレビでいろんなアナウンサーの動きを見て、いいものは大いにコピー! 「私だよ」って言っても、まだまだあなたはお若いから、まだいろいろとコピーできますよ。 |
進藤 |
ターナーさんほどのパワー、あるかしら……(笑)。 |
カオリ |
なにをおっしゃいますか、その若さで! チャージですよ! チャージ! |
進藤 |
うふふ。ありがとうございます。なんだか活力がみなぎってきました(笑)。最後に、eWomanの女性たちにいきいきと生きるためのアドバイスを。 |
カオリ |
そうね。背伸びしない。いま自分にできることを一生懸命やる。自分にしてほしいことを人にしてあげる。
物真似をしないこと。物真似してもしょせんチグハグになる。自分のいいとこを探して、それに自信をもてばいいんですよ。
なにより大切なのは心。どんなにいい女でも、心が悪かったらそれが夜叉に見える。心が優しかったら、顔までステキに見えてくるもの。いい男は、女が顔じゃないこと知ってますからね。 |
対談を終えて
レストランからインタビュー場所への移動中、小さな鳥居を見つけたターナーさん。「わたし、信心深くてね。神様が祀られているところに通りがかったら、かならずお参りすることにしているの」と、しばらくじっと手を合わせてらっしゃいました。その真剣な横顔からは、すべてのものへの想いの深さが伝わってきます。その傍らを、忙しそうな若者たちが、どんどん通り過ぎていきます。それは、そこに鳥居があることなど気づいていないかのように見えました。
さらに、「近くに来ることがあったら、遊びにいらっしゃい」とさりげなく名刺をくださるお心遣い、ターナーさんを慕う人が多いワケが、少しわかったような気がしました。クタクタに疲れ果てて家に辿り付き、お日様の香りのする布団に包まれて眠る。ターナーさんと共有する時間は、たとえて言うならそんな感じでしょうか。“人見知り”を自認する私も、どんどん殻のようなものが溶けてゆくのを感じました。『考えても仕方がないことを、グチャグチャ考えるのは意味のないこと』。今回、再認識したことです。結局、お約束の時間ギリギリまでお付き合いくださったターナーさん。このあとご友人の歌舞伎の舞台を観に、大急ぎでタクシーに飛び乗っていかれたのでありました。そのバイタリティーには、ただただ脱帽なのです!
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