グローバルコミュニケーションツール=英語(2002年7月18日)
出張勝也(でばり・かつや)
株式会社オデッセイ コミュニケーションズ代表取締役社長
今年の12月で43歳になりますが、10代の半ばから30歳前後まで、圧倒的にアメリカの影響を受けていました。合計4年ほどのアメリカ生活に加え、勤務していた会社、出張先、音楽や映画、読書など、すべてアメリカ中心でした。アメリカと「いい距離」をとることができるようになってきたのは、ようやく最近のことです。雑誌や新聞などで、アメリカに偏っているものは、あまり受け付けなくなってきました。例えば、ニュースプログラムではCNNだけでなく、BBCもよく見るようになりましたし、新聞では、Wall Street Journalだけでなく、FINANCIAL TIMES(FT)も読むようになりました。
FTは最近の僕のお気に入りです。ちょっとピンクがかった新聞用紙には違和感があるかもしれませんが、これも他の新聞にはないユニークさです。FTはイギリスの新聞社ですが、イギリス人ジャーナリストだけでなく、ヨーロッパ大陸あるいはアメリカのジャーナリスト、知識人による記事にあふれています。ヨーロッパでは何が起こっているのか、海外と言えば無意識のうちにアメリカのことを言っていることが多いわれわれ日本人にとって、ヨーロッパの人たちのこと、彼らの視点を知ることは大切です。
もうひとつFTで気に入っているのは、文芸記事の豊富さです。経済新聞のように思われているかもしれませんが、ヨーロッパだけでなく、アメリカ、アジアの絵画、音楽、文学などに関する記事も楽しむことができます。特に、週末版のFT
Weekendは、知識人、ユニークなパーソナリティーとのインタビュー、その他トピックの取り上げ方に編集センスを感じます。ぜひ一読をおすすめします。